ASCO 2012速報:JCOG0509・・・ED-SCLCにおいてCDDP+AMRはCDDP+CPT-11に非劣性示せず

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個人的にやや馴染みの深かった臨床試験。

Yoshikazu Kotani, et al.
A phase III study comparing amrubicin and cisplatin (AP) with irinotecan and cisplatin (IP) for the treatment of extended-stage small cell lung cancer (ED-SCLC): JCOG0509.
ASCO 2012, Abstract #7003


背景:
 シスプラチン+イリノテカンによる進展型小細胞肺癌(ED-SCLC)の標準化学療法がしばしば重篤な下痢を呈する。アムルビシン+シスプラチンは、SCLCに活性がある下痢の少ないレジメンである。われわれは、ED-SCLCに対し、アムルビシンとシスプラチン併用化学療法の有用性を、標準的化学療法の1つであるイリノテカンとシスプラチン併用化学療法を対照としたランダム化比較第Ⅲ相試験において検証した。

方法:
 適格基準は以下の通り。細胞診もしくは組織診にて、小細胞肺癌に矛盾しない病理所見が得られており、ED-SCLCであること。年齢は20歳以上70歳以下で、PS(ECOG)が0、1のいずれかであるとした。化学療法、放射線療法いずれの既往もない患者とする。 以下のレジメンにランダムに割りつけた。
 A群:IP療法 CDDP 60 mg/m2 day 1(60-120分)+ CPT-11 60 mg/m2 day 1、8、15(90分)4週1コース
 B群:AP療法CDDP 60 mg/m2 day 1(60-120分)+ AMR 35 mg/m2 day 1、2、3 (5分)3週1コース(計画当初はAMR 40mg/m2)
 計画サンプルサイズは両群とも141患者で合計282とした。プライマリエンドポイントは、奏効率、PFS、有害事象、QOLとした。われわれはQOLについては合計2回判定した。

結果:
 284人の患者がランダムにIP、APに142例ずつ割り付けられた。年齢中央値は63歳であり、84%が男性であった。56%がPS0であった。191人が登録された時点で、発熱性好中球減少症がAP群において懸念されたため、アムルビシン量を40mg/m2から35mg/m2へ減量した。2回目の中間解析の時点で、OS中央値がAP群において15ヶ月とIP群の18.3ヶ月よりも悪かった(HR 1.41; 96.3% CI, 1.03-1.93)。
 データ安全性モニタリング委員会はこの結果を早期に提出すべきと判断。PFS中央値は5.7ヶ月(IP) vs. 5.2ヶ月(AP)で(HR 1.43, 95% CI, 1.13-1.82)、奏効率は69.5% (IP) vs. 77.9% (AP) (p=0.14)であった。Grade 4好中球減少症は、IP群とAP群でそれぞれ22.5% vs. 78.6%であり、Grade3-4 発熱性好中球減少症は10.7% vs. 32.1%,Grade3-4 下痢は7.1% vs.1.4%であった。
 QOLのフィジカルステータス改善頻度はIP群37.1%vs. AP群31.7%であった(OR 0.72; 95%CI, 0.43-1.22; P=0.227)。

結論:
 アムルビシン+シスプラチンによる化学療法は、下痢が少ないもののより強い骨髄抑制がみられた。アムルビシン+シスプラチンのイリノテカン+シスプラチンに対する非劣性は示されなかったため、ED-SCLCにおいてはイリノテカン+シスプラチンが現時点での標準治療として妥当であろう。

by otowelt | 2012-06-04 22:51 | 肺癌・その他腫瘍

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