ASCO 2012速報:EGFR-TKI投与後のT790Mの存在自体は予後良好因子である可能性

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火曜日のPoster DiscussionにおけるT790Mについての日本からの報告。T790Mに限ったことではないが、re-biopsyは日本の学会でも注目されている。

Akito Hata, et al.
Rebiopsy of non-small cell lung cancer patients with acquired resistance to EGFR-TKI: Comparison between T790M mutation-positive and -negative populations.
ASCO2012、Abstract #7528


背景:
 続発性のEGFR遺伝子変異としてT790Mがあり、これはEGFR-TKIの獲得耐性の約半数を占めている。最近の報告では、EGFR-TKI治療失敗後にT790Mがない場合と比較するとT790Mの存在は予後良好を予測するものとされている。しかしながら、T790Mを再生検において同定することはchallengingである上、T790Mの有無が与える影響についてもよくわかっていないのが現状である。

方法:
 EGFR-TKI治療失敗後の73人のEGFR感受性変異のある患者において、再度生検をおこないT790Mを同定した。PNA-PCRクランプ法によってEGFRを解析した。患者特性とEGFR-TKI失敗後の増悪後生存につきT790Mの有無によって調べた。

結果:
 T790Mが21の中枢神経検体(19:髄液、2:脳組織)のうち2つ(10%)に確認され、ほかの部位からの検体52(25:肺組織、24:胸水、3:リンパ節)のうち20つ(38%)に確認された(p = 0.0225)。
 増悪後の生存中央値は、T790M陽性患者において34.0 months、T790M陰性患者において14.5 months (p = 0.0038)であった。われわれの患者のうち誰も初回の増悪後にはEGFR-TKIを継続していなかったが、56人(77%)は再投与された。T790Mステータスにかかわらず、EGFR-TKI再投与後の増悪後生存は、非投与と比較して延長する傾向にあった(23.4 months vs 10.4 months) (p = 0.0085)。

結論:
 EGFR-TKI投与後におけるT790Mの存在は、予後良好と有意に関連していた。初回EGFR-TKIによって増悪がみられても、EGFR再投与あるいはbeyond PD下での継続投与の効果が示唆される。

by otowelt | 2012-06-06 08:41 | 肺癌・その他腫瘍

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