CD4数の少ないHIV感染症において肺外結核は中枢神経系/髄膜合併症を起こしやすい

e0156318_21482771.jpg 中枢神経系の結核を合併している症例ではステロイドを少し長めに投与するので、CD4数と相まって日和見感染症が懸念される。なおかつ、AIDSと結核の免疫再構築症候群によって症状が非常に分かりにくい。
 CIDから、肺外結核とHIVの関連性についての報告。


Ira L. Leeds, et al.
Site of Extrapulmonary Tuberculosis is Associated with HIV Infection
Clin Infect Dis. (2012) 55 (1): 75-81.


背景:
 アメリカにおいて、肺外結核:extrapulmonary tuberculosis (EPTB)は、肺結核の症例に応じて増加している。結核による中枢神経系/髄膜合併症、播種性肺外結核およびそれに感染したHIV感染症/AIDSの患者は死亡率が高い。このスタディの目的は、特に肺外結核に関連したリスク因子を同定することである。

方法:
 われわれはレトロスペクティブに320人の肺外結核症例を1995年から2007年の間、アメリカの公立病院において調べた。肺外結核の部位を同定し、患者特性や臨床的特徴を調べるため診療録が参照された。肺外結核の部位と患者特長の間の独立した相関性を同定するために多変量解析がおこなわれた。

結果:
 患者の多くは男性であり(67%)、African Americanであり(82%), アメリカで出生していた(76%)。平均年齢は40歳(range 18–89)であった。肺外結核の主要な部位はリンパ節で(28%)、続いて播種性のもの(23%)、中枢神経系/髄膜(22%)であった。144人(48.1%)がHIVに感染しており、40%が肺結核を合併していた。肺外結核の診断ののち、12ヶ月以内に14.7%の患者が死亡した。
 多変量解析では、HIV感染した患者は非感染者に比べて胸膜病変を有しにくいことがわかった(補正オッズ比 0.3; 95% CI 0.2-0.6)。肺外結核患者でHIV感染者において、CD4数が100を下回る場合により重度の肺外結核(中枢神経系/髄膜 and/or 播種性)を合併しやすいことがわかった(補正オッズ比 1.6; 95% CI, 1.0-2.4)。

結論:
 肺外結核で入院した患者のうち、HIV患者でCD4数が低い場合には、中枢神経系/髄膜および播種性結核を合併しやすい。

by otowelt | 2012-06-09 21:53 | 感染症全般

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