ベラルーシにおいて結核のほぼ半分が多剤耐性結核(MDRTB)

e0156318_21513213.jpg すごい論文である。

Alena Skrahina, et al.
Alarming levels of drug-resistant tuberculosis in Belarus: results of a survey in Minsk
Eur Respir J 2012; 39: 1425–1431


背景:
 抗結核薬への耐性は、旧ソビエト連邦における公衆衛生上の脅威である。多剤耐性結核(MDRTB)の頻度は旧ソビエト連邦においてきわめて高率であり、ロシア、リトアニア、ラトビア、ウクライナなどでも非常に高率であることが知られている。

方法:
 2009年11月から2010年12月までの間、156人の連続した新規培養陽性結核患者と、68人の治療既往のある再発結核患者をベラルーシのミンスクにおいて登録した。BACTEC MGIT960 (Becton, Dickinson and Company, Franklin Lakes, NJ,USA)を使用した。検出されたMycobacterium tuberculosisに対して、ファーストラインおよびセカンドラインの抗結核薬の感受性を調べた。全ての検体はNational TB Reference Laboratory at the Republican Scientific and Practical Centre for Pulmonology and Tuberculosisにおいて調べられ、WHOの援助を得ておこなわれた。
 感受性検査は、isoniazid 0.1 mg/L; rifampicin 1.0 mg/L; ethambutol 5.0 mg/L; streptomycin 1.0 mg/L; kanamycin 2.5 mg/L, amikacin 1.0 mg/L; capreomycin 2.5 mg/L; ofloxacin 2.0 mg/L.において施行。

結果:
 MDRTBは新規結核患者の35.3% (95% CI 27.7–42.8)、再発結核の76.5%(95% CI 66.1–86.8)に確認された。総合すると、実に2人に1人がMDRTBであった。XDRTBは107人のMDRTBのうち15人に確認された(14.0%,95% CI 7.3–20.7)。35歳未満の患者は、それ以外の患者と比べてMDRTBのオッズ比が2倍のリスクであった。
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結論:
 この知見は、世界のどのMDRTBの頻度よりも高いものである。ベラルーシ、ミンスクにおいて深刻な事態である。

by otowelt | 2012-06-11 21:54 | 抗酸菌感染症

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