若年者は肺結核における血痰の独立予測因子

全文が読めないので、何歳からが若年者なのかわからない。確かに実臨床でも若年者で血痰が多い気がする。

Achkar, J. M, et al.
Independent association of younger age with hemoptysis in adults with pulmonary tuberculosis
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 16, Number 7, 1 July 2012 , pp. 897-902(6)


背景:
 肺結核において、軽度から中等度の血痰のリスクファクターははっきりと示されていない。

目的: 
 肺結核患者において、血痰に対する独立したリスクファクターを評価する。

デザイン・方法:
 ニューヨーク市立病院における、成人の新規結核患者のクロスセクショナル試験。単変量解析において、血痰の有無によって患者を分類した。血痰の独立因子は多変量ロジスティック回帰によって同定された。

結果:
 194人の肺結核患者のうち、44人(23%)が血痰を有していた。単変量解析において、血痰のない患者と比べると、血痰そのものは若年者に多くみられ(P = 0.003)、外国出生に多かった(P = 0.038)。多変量解析において、若年者は独立リスクファクターであった。この関連性は、年を経るごとに持続的に有意であり、10年ごとの経緯においても有意であった(補正OR 1.59, P = 0.003)。

結論:
 若年者は、肺結核における血痰の独立リスクファクターである。これは、高齢者よりも若年者において強い炎症性反応が肺の病態生理に寄与し、傷害を与えるからであると考えられる。
by otowelt | 2012-06-12 10:15 | 抗酸菌感染症

近畿中央呼吸器センター 呼吸器内科の 倉原優 と申します。医療従事者の皆様が、患者さんに幸せを還元できるようなブログでありたいと思います。原稿・執筆依頼はメールでお願いします。連絡先:krawelts@yahoo.co.jp


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