病棟における騒音は患者の睡眠を妨げる?

e0156318_13101997.jpg個人的には非常に観点がよいスタディだと思う。


Orfeu M. Buxton, et al.
Sleep Disruption Due to Hospital Noises: A Prospective Evaluation
Ann Intern Med. 12 June 2012


背景:
 健康な成人を対象に入院病棟における合計14種類の夜間騒音を就寝中に再現することで、大脳皮質での覚醒反応を調べることによって、睡眠を障害されているかどうか検証した。

デザイン:3日のポリソムノグラフィ試験

セッティング:マサチューセッツ総合病院の睡眠研究室Sound-attenuated sleep laboratory.

参加者:12人の健康な成人

介入:
 ベースラインのsham nightのあとに2日間の介入夜間を設定したプログラムで、合計14の音を再現した。すなわち、予後良好・予後不良患者における男女の会話、ドア開閉音、ドクターヘリの離陸音、製氷機音、点滴ポンプのアラーム音、飛行機音、ランドリーカート移動音、医師を呼ぶ声、電話音、いびき、トイレ音、自動ペーパータオル稼働音、交通騒音。いずれの騒音も40~70dBの正常聴力の範囲に調整するようにした。

結果:
 健康人12人(女性8人、平均年齢27歳、BMI 21.8)を対象に、ポリグラフPSGを使用。で3日間(1日の睡眠8.5時間)の検討を行った。被験者は、手首に睡眠・覚醒を判定するactigraphyを装着した状態で試験開始前4日間は決まった時間帯に就寝してもらうよう勧告した(平均6.5日間:平均睡眠時間7.72時間)。音量が上がるにつれて、non-REM睡眠のstage 2, stage 3, REM睡眠のいずれにおいても覚醒レベルの上昇が確認された。ただ、同音曝露においてもnon-REM睡眠stage 3はstage 2に比べて覚醒しにくかった。
 音種別の検討において、non-REM睡眠stage 2, stage 3で覚醒レベルの上昇が最大であったのは、電話音や点滴ポンプのアラーム音などの電子的な音であり、ドクターヘリの離陸音のような非日常的騒音をかなり上回るものであった。
 また、心拍数の増加が曝露開始前に比べて最も大きかったのはERM睡眠時で、順にstage 3, stage 2と続いた。

limitation:12人の参加者のみでの検討であること。

結論:騒音が睡眠中の患者の健康衛生を妨害しうる。

by otowelt | 2012-06-18 13:12 | 内科一般

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