癌患者の情報源としてインターネット利用率はまだ低い

e0156318_1334221.jpgこのブログを見た癌患者さんから質問がくることもたまにあるが、確かにインターネットを駆使している患者さんはさほど多くない。それはやはり患者さんの年齢によるところが大きい。

M. Lopez-Gomez, et al.
Internet use by cancer patients: should oncologists ‘prescribe’ accurate web sites in combination with chemotherapy? A survey in a Spanish cohort
Annals of Oncology 23: 1579–1585, 2012


背景:
 癌患者は予後や治療について情報を検索しているが、インターネットは医療情報ソースとしては主要なものとなった。癌患者に対する影響についてはまだよくわかっていない。

患者および方法:
 380の質問票が癌患者に対しておこなわれ、293が返ってきた。インターネットから得る情報やその有用性、患者医師間へ与える影響についてほかの情報源と比較検証された。Student t-tests, χ2検定、多変量回帰ロジスティック解析がおこなわれた。

結果:
 インターネット使用率は低かった(27% patients, 58% relatives)。癌特異的情報はおもに癌そのものの通常の情報が主体であった(41% and 70%)。61%の患者にとって、インターネットは有用なツールであった。インターネット使用について男女差は同定されなかった。単変量解析において、インターネット使用者の年齢中央値は51.5 歳であり(IQR: 39–56歳)、インターネット非使用者は65歳であった(IQR: 56–63歳) (P < 0.001)。また、都会に住む患者のほうがよりインターネット使用が多かった。多変量解析でも同様の結果が得られた。
 インターネットから情報を得た48%の患者が楽観的な印象を持ち、驚くべきことに混乱や不安を感じた患者はたったの48%、22%であった。
 臨床医からの情報はインターネットを使用しない患者にとっての主たる情報源であった(37% and 67%)。インターネット使用患者の22%の患者が臨床医とインターネット検索について相談していた。そのうち13%のみが主治医の感情や治療戦略のさまたげになるのを危惧し、インターネットについて相談や言及をしていなかった。
 また、ほかの情報源として、健康専門家(62% and 51%)、出版印刷物(18% and 25%)が多かった。

結論:
 癌患者やそれをケアする人は、医療情報源としてインターネットを使用する頻度が少なかった。しかし、インターネットは癌情報をうまく処理することの手助けになる。この情報を臨床医と議論することで、患者医師関係をより強めることができるかもしれない。そのため、臨床医は患者に信頼できるオンラインの情報源を提示すべきであろう。

by otowelt | 2012-06-20 13:06 | 肺癌・その他腫瘍

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