シムビコートにおけるSMART療法

 個人的にはアドエアの方が過去のデータの質もよいので気に入っているのだが、患者アドヒアランスを考慮するとSMART療法の承認を受けてシムビコートの使用が呼吸器内科医間で増える可能性が高いと思われる。
e0156318_1246222.jpg
 
 先月シムビコートに対するSMART療法が解禁となったことが記憶に新しいが、おととい記者セミナー(一ノ瀬正和先生発表)がおこなわれた。すでに海外では普通に行われている喘息治療であり、あまりにも日本の承認が遅い。
 SMART療法はシムビコートに含まれているLABAであるホルモテロールが、効果発現までに短時間で作用するという特性を持っているからである。これまでのLABAは発現までの時間が長いという点から、発作時の頓用としては使用できない経緯があった。
 先月新たに承認された1日2回投与の定期吸入に加えて頓用吸入する治療法(SMART療法)では、発作発現時に1吸入し、数分経過しても発作が持続する場合には、追加で1吸入することが可能である。1回の発作発現につき最大は6 吸入までとされている。

Kenneth R Chapman, et al.
Single maintenance and reliever therapy (SMART) of asthma: a critical appraisal
Thorax (2010). doi:10.1136/thx.2009.128504


 SMART療法で有名な論文は2009年のThoraxだろうが、この論文においてSMART療法を善しとする患者群は私たちが臨床で出会う患者群よりも重症な患者群であることがわかる(SMART療法に治療された患者の17.1%がコントロール可能であった)。ブデソニド単剤に比べてシムビコートの使用量を減らすことができ、発作抑制には効果的であると思われるが、喘息死自体を減らすかどうかは定かではない。

 COPD治療薬として、ホルモテロール吸入剤であるオーキシスタービュヘイラーも同社より発売となる。もし同様のメリットを打ち出す予定であれば、COPD急性増悪時におけるオーキシス頓用も選択肢として入る可能性がある。

by otowelt | 2012-07-19 13:02 | 気管支喘息・COPD

<< 日本語訳:GOLD慢性閉塞性肺... JCOG0301試験:高齢者局... >>