VAPにおけるGram染色のメタアナリシス

John C. O’Horo, et al.
Is the Gram Stain Useful in the Microbiologic Diagnosis of VAP? A Meta-analysis
Clinical Infectious Diseases 2012;55(4):551–61


背景:
 人工呼吸器関連肺炎(VAP)の診断における呼吸器検体のGram染色のメタアナリシスでは、Gram染色で菌が同定されない場合には高い陰性適中率をほこるが、陽性であったとしても培養結果と一致するような結果が得られない。

方法:
 迅速かつ正確なVAP診断は大きな挑戦であり、VAP診断のゴールドスタンダードはまだ一般的には確率されていない。われわれは、呼吸器検体のGram染色でVAP診断が妥当かどうか、またそのGram染色結果が培養と一致するものかどうか、メタアナリシスを施行して検証した。
 2011年10月から2012年2月までの間、コンピュータにおける検索(PubMed:MEDLINE含)で以下の用語で検索をおこなった:“ventilator associated pneumonia” “VAP,” “Gram stain,” “microscopic examination, “endotracheal aspirate,” “BAL,” “bronchoalveolar lavage."。

結果:
 21試験(13試験がヨーロッパ、8試験が北米で施行:3148検体、2510人のVAP疑いの患者)において、VAP診断におけるGram染色の感度は0.79 (95%CI .77–0.81; P < .0001)で、特異度は0.75 (95% CI, .73–.78; P < .0001)であった。高いheterogeneityがみられ、それぞれ79.4%、83.3%であった。
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 diagnostic odds ratio(DOR)は、16.44 (95% CI, 10.54–25.67;P = .0000)で、これには高いheterogeneity (I2 = 69.9%)がみられた。
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 陽性適中率と陰性適中率は、疾患有病率に応じてグラフが交差しており、すなわちこれは臨床的に信頼性のある場面というのが限られた頻度であることを意味している。Gram染色の陰性適中率は20~30%の有病率の場合91%であり、Gram染色陰性であればVAPは否定的であると考えられる。しかしながら、陽性的中率は40%程度であった。
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 Gram陽性菌におけるカッパ値(Cohen’s Kappa statistic)は0.42、Gram陰性菌におけるカッパ値は0.34であった。

結論:
 結論として、Gram染色が陽性であった場合中等度の特異性しかみられないが、陰性所見であった場合にはVAPは考えにくいと思われる。培養結果が出るまでの間抗菌薬を狭域スペクトラムのものに変更する場合、Gram染色の陽性結果は用いるべきではない。

by otowelt | 2012-07-23 14:04 | 感染症全般

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