protracted bacterial bronchitisに対してアモキシシリン/クラブラン酸は有効

e0156318_10424921.jpg 小児科医や呼吸器内科医にとっては近年TOPICの1つでもある、protracted bacterial bronchitisの話題。
 クラバモックスを使用したランダム化比較試験である。

Julie Marchant, et al.
Randomised controlled trial of amoxycillin clavulanate in children with chronic wet cough
Thorax 2012;67:689-693.


背景:
 ガイドラインの推奨にもかかわらず、小児における慢性湿性咳嗽に対する抗菌薬の有効性についてはランダム化比較試験がない。多くの慢性湿性咳嗽の小児が、遷延性細菌性気管支炎(protracted bacterial bronchitis:PBB)を持つかもしれないとされており、多くの国のガイドラインにおいてこの病状が認識されている。筆者は、プラセボと1:1でのランダム化比較試験をおこない、2週間のアモキシシリン/クラブラン酸が小児の慢性湿性咳嗽の治療に効果があるかどうかを検証した。

方法:
 ブリスベンにあるRoyal Children’s Hospitalにおいて実施された。
 出生より6月から18歳までの慢性 (>3週間)の湿性咳嗽がある50人の小児(平均年齢1.9歳 IQR0.9-5.1)において、2週間の間1日2回の経口アモキシシリン/クラブラン酸(22.5 mg/kg/dose)あるいはプラセボを内服するランダム化比較試験を実施した。プライマリアウトカムは、”咳嗽の寛解”とし、これは治療14日以内に実施した咳嗽スコア(VCD:verbal category descriptive score)において75%を超える減少があったものあるいは3日を超える咳嗽の停止と定義した。
 0:no cough,
 1:cough for one or two short periods only,
 2:cough for more then two short periods,
 3:frequent coughing but does not interfere with school and other activities,
 4:frequent coughing which interferes with school and other activities,
 5:cannot perform most activities due to severe coughing.
また、選択された小児において、気管支鏡を施行しBALを実施した。

結果:
 咳嗽の寛解率は、アモキシシリン/クラブラン酸群において有意に高く(48% vs 16%、p=0.016)、 2群の比率差は0.32 (95% CI 0.08 to 0.56)であった。治療後、アモキシシリン/クラブラン酸群におけるVCDスコア中央値は0.5 (IQR 0.0-2.0)で、プラセボ群2.25 (IQR 1.15-2.9)よりも有意に低かった(p=0.02)。治療前BALデータは、多くの小児においてPBBと合致する所見であり、、これは群間差がみられなかった。
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結論:
 小児の慢性湿性咳嗽において、2週間のアモキシシリン/クラブラン酸は咳嗽の寛解をもたらす。これらの小児は、BALデータではPBBを示唆するものである。

by otowelt | 2012-07-24 10:48 | 感染症全般

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