エルロチニブによるネオアジュバント化学療法の第II相試験

術前化学療法で分子標的薬を使用することについては議論の余地がある。

Eva E. Schaake, et al.
Tumor Response and Toxicity of Neoadjuvant Erlotinib in Patients With Early-Stage Non–Small-Cell Lung Cancer
JCO August 1, 2012 vol. 30 no. 22 2731-2738


目的:
 選択された患者において、標的治療は新たなオプションとして注目を浴びている。このプロスペクティブスタディの目的は、術前エルロチニブ治療の安全性と早期切除可能の非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対するin vivoでの反応性を評価したものである。

患者および方法:
 このスタディは、オープンラベル第II相試験としてデザインされ、オランダにおける4病院で実施された。Simonのミニマックス基準(2段階デザイン)に基づいておこなわれた。まず、手術可能な早期NSCLC患者(n = 15)がenriched population(非喫煙者、女性、非扁平上皮癌、アジア人)から登録された。非選択患者が組み込まれ、合計60人登録された。患者は、術前エルロチニブ150mg1日1回3週間を投与された。治療反応性は、治療中のFDG-PETおよびCTと切除標本の組織学的検査によって評価された。プライマリエンドポイントは毒性と病理学的反応性とした。

結果:
 60人の患者が登録された。56人(93%)が術前に悪性の診断がついていた。平均年齢は64歳であった。
 合計42人が21日間のエルロチニブ内服を終了した。4人が100mgへの減量を余儀なくされ、7人の患者は毒性のため早期に治療中断となった(12%)。皮膚毒性は37人(62%)の患者にみられ、下痢は21人(35%)にみられた。PETでの代謝的反応性(25%をこえるSUV減少)は16人(27%)にみられ、CTでのRECIST判定では3人(5%)に反応性がみられた。
 手術においては、予測不能合併症は起こらなかった。病理検査では14人(23%)の患者の標本の50%以上に壊死がみられ、3人(5%)では95%以上の壊死がみられた。奏効率は、enriched populationにおいて34% (29人中10人)にみられた。
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 EGFR遺伝子変異は56人中7人(13%)にみられた。うち5人がenriched populationであった。KRAS遺伝子変異は12人(21%)にみられた。

結論:
 術前エルロチニブは低い毒性で活性も十分であり、今後のさらなる試験に妥当性がある。

by otowelt | 2012-07-31 22:54 | 肺癌・その他腫瘍

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