結核診断前のフルオロキノロンは、結核患者の死亡リスクを上昇

e0156318_13183343.jpgタイトルに不備があり、少し訂正しました。
たくさんツイートがございましたが、お察しの通りこれは結核診断をマスクしてしまうことが原因です。

van der Heijden, Y. F, et al.
Fluoroquinolone exposure prior to tuberculosis diagnosis is associated with an increased risk of death
The International Journal of Tuberculosis and Lung Disease, Volume 16, Number 9, 1 September 2012 , pp. 1162-1167(6)


背景:
 結核診断前のフルオロキノロン曝露はよくあることだが、そのアウトカムに対する影響や死亡リスクなどはよくわかっていない。

デザイン:
  Tennessee Department of Healthにおいて2007年から2009年までの間の結核患者で、結核診断前6ヶ月以内にフルオロキノロン曝露がある患者を解析した。プライマリアウトカムは、結核診断時の死亡と結核治療中の死亡の混合アウトカムとした。

結果:
 609人の結核患者のうち、214人(35%)が結核診断前にフルオロキノロンに曝露されていた。71人(12%)の患者が死亡し、10人(2%)が結核診断時、61人(10%)が結核治療中に死亡した。多変量ロジスティック回帰分析により、死亡の独立したリスクとして高齢であること(OR 1.05 per year, 95%CI 1.04-1.07), HIV感染(OR 8.08, 95%CI 3.83-17.06), US birth (OR 3.03, 95%CI 1.03-9.09), 結核診断前のフルオロキノロン曝露(OR 1.82, 95%CI 1.05-3.15)が挙げられた。
 結核診断前にフルオロキノロンに曝露された患者はより培養・塗抹が陰性になりやすかった。

結論:
 結核診断前にフルオロキノロンに曝露されることで、結核死亡リスクが上昇する。これは、結核が疑われる患者ではフルオロキノロンの使用について警告する必要があることを示唆している。

by otowelt | 2012-08-07 13:19 | 抗酸菌感染症

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