カナダから2つのコホート試験:気管支拡張薬と不整脈の関連性

今まで月始にすぐ刊行されていたCHESTだが、刊行日が変更になった様子。

気管支拡張薬と不整脈の関連について2つ論文が出ていた。

Machelle Wilchesky,et al.
Bronchodilator Use and the Risk of Arrhythmia in COPD: Part 1: Saskatchewan Cohort Study
CHEST. 2012;142(2):298-304.


1つ目の試験は、カナダ・サスカチュワン州における200万人規模のヘルスケアデータベースのコホート試験の結果で、イプラトロピウムおよびLABAの使用が不整脈のリスク比を上昇させたというもの。
・新規のipratropium (RR, 2.4; 95% CI, 1.4-4.0)
・新規のlong-acting β-agonists (LABAs) (RR, 4.5; 95% CI, 1.4-14.4)
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不整脈の多くは、心房細動あるいは心房粗動であった。
ただ、この試験においては不整脈の発症が極めて”限定的な”事象であったことが推察されており、リスク比の上昇が本当に確かなものなのかは、さらなるコホート試験を要すると付け加えられている。

Machelle Wilchesky, et al.
Bronchodilator Use and the Risk of Arrhythmia in COPD: Part 2: Reassessment in the Larger Quebec Cohort
CHEST. 2012;142(2):305-311.


2つ目の試験もカナダからのもので、これはケベック州のコホート試験である。76000人以上のCOPD患者で、1000人年あたり10.3の不整脈発症がみられた。リスク比の上昇については
・新規のshort-acting β-agonists(RR, 1.27; 95% CI, 1.03-1.57)
・新規のlong-acting β-agonists(RR, 1.47; 95% CI, 1.01-2.15)
の2剤については有意な上昇であったが、サスカチュワンの試験でリスク比の上昇があった新規のイプラトロピウムについては差がみられなかった(RR, 1.23; 95% CI, 0.95-1.57)。

by otowelt | 2012-08-07 22:44 | 気管支喘息・COPD

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