COPD急性増悪では気道粘膜にCysLT1受容体蛋白が発現

Jie Zhu, et al.
Cysteinyl Leukotriene 1 Receptor Expression Associated With Bronchial Inflammation in Severe Exacerbations of COPD
CHEST 2012; 142(2):347–357


背景:
 Cysteinyl leukotriene 1 (CysLT 1 )受容体は、喘息患者(特に急性増悪患者)において気道粘膜に多く発現するとされているが、COPDにおける発現については何もわかっていない。

方法:
 気管支粘膜生検検体(Ben Taub General Hospitalで施行、テキサス州)における免疫組織化学染色とin situ hybridizationによって、炎症性細胞CysLT 1 受容体蛋白とmRNA発現を以下の患者で検証した。(1)15人の非喫煙者コントロール(FEV 1 ≧ 80% predicted; FEV 1 /FVC≧ 70%)、(2) 16人の喫煙者(58 ±8 pack-years)で中等度から重度の安定したCOPD患者、(3) 15人のCOPD患者で重度の急性増悪で入院した患者。

結果:
 気管支粘膜炎症細胞(CD45陽性)とCysLT 1受容体蛋白を発現した細胞は、有意に重度のCOPD急性増悪患者で発現がみられた(CysLT 1受容体蛋白:中央値[range]=139 [31-634])。安定したCOPD患者と健常者コントロールではそれぞれ(32 [6-114])、16 [4-66]) ( P<.001 for both)。CysLT 1受容体遺伝子発現は双方ともの間で同等の差であった。CysLT1受容体蛋白発現CD45陽性細胞は重度のCOPD急性増悪患者で高い比率であった(中央値[range]=22% [8-81])。安定したCOPD患者と健常者コントロールではそれぞれ(10% [4-32]) ( P<.03) 、NSC (7% [1-19]) ( P<.002)。重度のCOPD急性増悪患者において、CysLT1受容体発現細胞の相対度数は以下の通りであった:tryptase陽性肥満細胞>CD68陽性単球/マクロファージ>好中球>CD20陽性Bリンパ球=EG2陽性好酸球。
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 さらに、CysLT1受容体蛋白発現の細胞数と、CD45陽性細胞の数には有意な相関がみられ( r=0.78; P<.003)、tryptase 陽性肥満細胞との間にも相関がみられた( r=0.62; P<.02)。

結論:
 気管支粘膜CysLT1受容体陽性炎症細胞は、COPDで重度の急性増悪をきたした気管支粘膜に存在する。

by otowelt | 2012-08-08 07:38 | 気管支喘息・COPD

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