進行非扁平上皮NSCLCおよび腺癌においてmotesanibは追加効果認められず
2012年 08月 11日
Giorgio V. Scagliotti, et al.
International, Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Phase III Study of Motesanib Plus Carboplatin/Paclitaxel in Patients With Advanced Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer: MONET1
JCO August 10, 2012 vol. 30 no. 23 2829-2836
背景:
カルボプラチン/パクリタキセルにベバシズマブあるいはmotesanibを加えた場合、それぞれの成績は拮抗するくらいであることが第2相試験で示されており(Ann Oncol22:2057-2067, 2011)、PLGFとOSに相関性があるのではないかと考えられている(Clin Oncol 28:15s, 2010 (suppl; abstr 3037))。
目的:
進行肺非扁平上皮癌において、motesanib(選択的経口VEGF受容体1,2,3・PLGF受容体・Kit阻害薬)をカルボプラチン/パクリタキセルに加えることでOSを改善することができるかどうか検証した。サブセットとして腺癌にしぼった解析もおこなった。
患者および方法:
病期IIIB/IVあるいは再発性非扁平上皮NSCLC(進行性の病変に対して全身性化学療法を施行していない場合に限る)の患者に対してランダムに1:1 にカルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200 mg/m2)を3週間ごとに点滴投与し、motesanib 125 mg 1日1回を併用する群(arm A)あるいはプラセボ1日1回を併用する群(arm B)にランダムに割り付けられた。 プライマリエンドポイントはOSとした。セカンダリエンドポイントは、PFS、ORR、有害事象、PLGF変化とOSとの関連性とした。
結果:
合計1090人の非扁平上皮NSCLC患者がランダムに上記2群に割り付けられた(arm A: 541人、arm B:549人)。これらのうち、890人が腺癌であった(arm A: 448人、arm B: 442人)。OS中央値は、arm AおよびBでそれぞれ13.0ヶ月、11.0ヶ月であった(HR 0.90; 95% CI, 0.78 to 1.04; P =.14)。腺癌のサブセットではそれぞれ13.5ヶ月、11.0ヶ月であった(HR, 0.88; 95% CI, 0.75 to 1.03; P= .11)。
両群の記述解析では、PFS中央値はそれぞれ5.6ヶ月と5.4ヶ月(P<.001); ORRはそれぞれ40%と26% (P < .001)であった。PLGF変化とOSについて関連性はみられなかった。Grade 3以上の有害事象はそれぞれ73%、59%で、Grade5の有害事象はそれぞれ14%、9%であった。これはmotesanib群のほうが高かった。
結論:
進行非扁平上皮NSCLCあるいは腺癌において、motesanibとカルボプラチン/パクリタキセルの併用はOSを改善させない。
International, Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Phase III Study of Motesanib Plus Carboplatin/Paclitaxel in Patients With Advanced Nonsquamous Non–Small-Cell Lung Cancer: MONET1
JCO August 10, 2012 vol. 30 no. 23 2829-2836
背景:
カルボプラチン/パクリタキセルにベバシズマブあるいはmotesanibを加えた場合、それぞれの成績は拮抗するくらいであることが第2相試験で示されており(Ann Oncol22:2057-2067, 2011)、PLGFとOSに相関性があるのではないかと考えられている(Clin Oncol 28:15s, 2010 (suppl; abstr 3037))。
目的:
進行肺非扁平上皮癌において、motesanib(選択的経口VEGF受容体1,2,3・PLGF受容体・Kit阻害薬)をカルボプラチン/パクリタキセルに加えることでOSを改善することができるかどうか検証した。サブセットとして腺癌にしぼった解析もおこなった。
患者および方法:
病期IIIB/IVあるいは再発性非扁平上皮NSCLC(進行性の病変に対して全身性化学療法を施行していない場合に限る)の患者に対してランダムに1:1 にカルボプラチン(AUC6)+パクリタキセル(200 mg/m2)を3週間ごとに点滴投与し、motesanib 125 mg 1日1回を併用する群(arm A)あるいはプラセボ1日1回を併用する群(arm B)にランダムに割り付けられた。 プライマリエンドポイントはOSとした。セカンダリエンドポイントは、PFS、ORR、有害事象、PLGF変化とOSとの関連性とした。
結果:
合計1090人の非扁平上皮NSCLC患者がランダムに上記2群に割り付けられた(arm A: 541人、arm B:549人)。これらのうち、890人が腺癌であった(arm A: 448人、arm B: 442人)。OS中央値は、arm AおよびBでそれぞれ13.0ヶ月、11.0ヶ月であった(HR 0.90; 95% CI, 0.78 to 1.04; P =.14)。腺癌のサブセットではそれぞれ13.5ヶ月、11.0ヶ月であった(HR, 0.88; 95% CI, 0.75 to 1.03; P= .11)。
両群の記述解析では、PFS中央値はそれぞれ5.6ヶ月と5.4ヶ月(P<.001); ORRはそれぞれ40%と26% (P < .001)であった。PLGF変化とOSについて関連性はみられなかった。Grade 3以上の有害事象はそれぞれ73%、59%で、Grade5の有害事象はそれぞれ14%、9%であった。これはmotesanib群のほうが高かった。
結論:
進行非扁平上皮NSCLCあるいは腺癌において、motesanibとカルボプラチン/パクリタキセルの併用はOSを改善させない。
by otowelt
| 2012-08-11 21:14
| 肺癌・その他腫瘍