pure GGOの経時的変化におけるp53

p53の変異は、癌化で”ブレーキの故障”と比喩されることが多い。pure GGO → mixed GGOの流れにおいてp53やEGFRについて検討した論文。

Takatoshi Aoki, et al.
Adenocarcinomas with Predominant Ground-Glass Opacity: Correlation of Morphology and Molecular Biomarkers
Radiology, 264, 590-596. August 2012


目的:
 CT検査においてスリガラス陰影(GGO)が優位な末梢肺腺癌における連続した変化をレトロスペクティブに同定し、生体分子マーカーとの相関性を調べる。

方法:
 本レトロスペクティブ試験に参加した25人からはインフォームドコンセントを取得している。肺腺癌の患者で、直径3cm未満の病変が外科手術前にCT検査で同定された患者を登録した。2人の放射線科医が腫瘍成長についてGGOのタイプ(pure or mixed)とサイズの増大を解析することで評価した。p53タンパク免疫組織化学検査、EGFRおよびK-ras遺伝子解析がおこなわれた。フィッシャーの正確確率検定によって統計学的有意差を検証した。

結果:
 腫瘍のサイズは25人中19人(76%)で増大していた。19人のCT変化は4パターンに分類された。すなわち、pure GGOの遷延(n = 8)、pure GGOからmixed GGOへ変化(n = 3), mixed GGO にsolid componentの増加を伴うもの(n = 4), mixed GGOにGGO componentの増加を伴うもの(n = 4)。25人中6人は経時的変化がみられず(サイズの増加を伴わずに)pure GGOのままであった。
 p53染色はpure GGOの14人で全員陰性、mixed GGOの11人中6人(55%)で陽性であった(P < .01)。この6人については、solid componentの増加がみられていた。EGFRについてはpure GGOおよびmixed GGOで差はみられなかった(36% vs 45%, P = .70)。

結論:
 肺腺癌においてGGO有意な陰影はしばしばEGFR遺伝子変異を有する。solid componentの経時的変化はp53の不活化と関連しているかもしれない。

by otowelt | 2012-08-13 21:59 | 肺癌・その他腫瘍

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