タトゥーによるM.chelonaeの皮膚感染アウトブレイク

e0156318_05147.jpgM.chelonaeが患者から検出された場合、基本的には環境のコンタミネーションとして扱うことが多いと思うが、NEJMから皮膚感染のアウトブレイクの報告があった。流し読みしただけだが、非常に興味深い。


Byron S. Kennedy, et. al.
Outbreak of Mycobacterium chelonae Infection Associated with Tattoo Ink
NEJM August 22, 2012 10.1056/NEJMoa1205114


概要:
 2012年1月に、皮膚科医からの最初の報告に基づいて、われわれはタトゥー(刺青)に関連したMycobacterium chelonaeの皮膚軟部組織感染をニューヨークにおいて調べた。このスタディの目標は、このアウトブレイクのひろがり、原因、形式を調べ、予防について検証することである。
 患者にインタビューをおこないデータを収集、病理学的に皮膚生検で検索した。組織については抗酸菌染色をおこない、微生物学的培養ののちに感受性検査もおこなった。われわれはDNAシークエンスを施行し、パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)、刺青インク培養、調合液材料培養、インクパッケージ培養、水周りや蛇口の解析、インクメーカーの調査をおこなった。
 2011年10月と12月に、遷延する隆起性紅斑性皮疹がタトゥーの入った部位に19人の患者(13人が男性、6人が女性)に3週間以内に発症した。11月が最も多く皮膚病変が発生した。平均年齢は全体で35歳(18-48歳)であった。17人の患者からの皮膚生検標本で異常所見がみられ、そのうち14つの標本からM. chelonaeを分離、DNAシークエンスでもこれを確認した。19人の患者のうち18人は抗菌薬で治療をおこない、改善した。
 タトゥー施術時の予混合インクは、M. chelonaeの皮膚感染のリスクとなりうる可能性がある。メーカーからの情報提示が望まれる。

by otowelt | 2012-08-25 00:06 | 感染症全般

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