元准看護師に石綿労災認定

じん肺の申請に携わる呼吸器内科医や産業医は、このニュースを知っておく必要があるだろう。(このパウダーとは、タルカムパウダーのことだろうか)

●石綿:元准看護師の労災認定 「手袋の粉吸引」山口労基署
 山口県防府市の元准看護師が中皮腫になったのは、病院で手術用のゴム手袋にまぶしていた粉末「タルク」に混入していたアスベスト(石綿)が原因だとして、山口労働基準監督署が先月、労災認定していたことが分かった。医療現場での作業を原因とする看護師・准看護師の石綿労災認定は初めて。外科や産婦人科などの現場では、かつてゴム手袋の再利用時にタルクが広く使われており、被害が拡大する可能性がある。
 一昨年2月、中皮腫と診断されたが、石綿との接点が分からなかった。「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」の会長が調査した結果、1981年から約5年勤務した産婦人科医院で、医師や助産師らの手術用手袋を洗って乾燥させた後、袋の中に入れてタルクをまぶしており、その粉が漂っていたことが分かった。作業は1週間に1、2回あり、その際に石綿を吸い込んだとみられる。(毎日新聞 2012年08月27日)

●元准看護師「病院作業で中皮腫」を労災認定
 山口県に住む元准看護師が中皮腫を発症したのは、医療用のゴム手袋を滅菌する作業でアスベスト(石綿)を吸入したのが原因だとして、山口労働基準監督署が労災認定していたことが27日、分かった。認定は7月24日付。
 支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によると、看護師や准看護師が医療現場の作業を原因としてアスベスト被害で労災認定されたのは全国で初めてという。同会は「医療用手袋の再利用はかつて医療現場で広く行われていた。被害が広がる可能性がある」として注意を呼びかけている。
 元准看護師は1981~86年、山口県内の産婦人科医院に勤めていた際、月に数回、医療用のゴム手袋を再利用するための滅菌作業を担当。手袋を洗った後に袋に入れ、「タルク」と呼ばれる打ち粉をまぶす作業をしており、その際、打ち粉に含まれるアスベストを吸い込んだとみられる。
 タルクは白色の石で、細かく砕き粉にしたものは医療現場のほか、工業製品の製造やベビーパウダーなどにも使用されていたが、石そのものにアスベストが混入していることが発覚。2006年以降はアスベスト含有量0.1%超のタルクは製造や使用が禁止された。
 元看護師は09年12月、転職のために受けた健康診断で中皮腫と判明。11年8月に労災を申請した。27日に大阪市内で記者会見した河村さんは「私の認定をきっかけに多くの人がアスベストや中皮腫に関心をもって早く被害に気づき、新たな労災認定につながればうれしい」と話した。(2012年8月27日 日本経済新聞)

●石綿被害の労災認定で 元准看護師が記者会見
 産婦人科で使っていた粉末「タルク」に混入したアスベスト(石綿)が原因で中皮腫になったとして元准看護師が労災認定された問題で、27日大阪市内で記者会見した。医療現場での日常的な作業で石綿に触れていたことを知らず、病気の原因が分からずに悩んできた心情を吐露し、「私と同じ状況にいる人が救済されるきっかけになれば」と語った。
元准看護師は1981年から約5年、同県内の産婦人科医院に勤務した。当時、手術用ゴム手袋を再利用する際、手袋がくっつかないよう、袋に入れてタルクをまぶす作業をし、袋を開く時にタルクを吸い込んだという。
 この日の会見では、ゴム手袋にタルクをまぶす作業を再現。ビニール袋に7組みの手袋を入れ、タルクに見立てたベビーパウダーを手づかみで放り込んで細かく振る。袋を開けると、中から白い粉が、ぶわっと顔に向けて舞い上がった。
 「当時は何も知らずにタルクを使い、マスクもせずに素手で作業していた。顔は真っ白になった」。月2、3回、5畳半程度の部屋で作業し、室内には粉が充満したという。
 中皮腫と診断されたのは2010年2月。医師からは「抗がん剤投与などの治療をしなければ、1年の生存率は50%」と告げられた。中皮腫の原因となる石綿を扱った記憶はなかった。「奈落の底に落ちるような病気を告げられたのに、どこで吸ったかも分からない」と悔しさがこみ上げた。
 同11月、石綿被害者の救済支援をする「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」と出会い、原因究明を始めた。居住地の近くに石綿を扱っていた工場はない。「粉を扱うような作業はなかったか」と問われ、ようやくゴム手袋の作業を思い出した。
 元准看護師は現在、胸や背中の痛みがあり、抗がん剤治療を続ける。労災認定を受け、「原因が分かり、目の前がすっきりした。私と同じ状況にいる人がタルクの使用に気付き、労災認定につながれば。アスベスト問題は日常のどこにでもある」と訴える。支援団体のメンバーは「国はもっと早くに対策を取り、危険性を知らせるべきだった」と指摘した。(2012年8月28日 読売新聞)

by otowelt | 2012-08-28 13:04 | その他

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