ERS2012:CPFEは疾患概念として確立すべき?

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CPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema)という病態が近年提唱されているのは呼吸器内科医であれば誰しもご存じのことと思う。簡単に言えば、IPFのような線維化をきたす病態が肺の下葉にみられ、上葉にはCOPDのような気腫性病変がみられる概念である。個人的には、IPF患者のうちCOPDを合併している例をみているだけではないかと思っていたので、敢えて”疾患概念”として確立する意義は
乏しいのではないかとも感じている。
 疾患概念を提唱するにあたり、両群に個々に特異性をもたないパラメータが存在しなければ、それは科学ではない。そのパラメータとして肺高血圧がよく挙げられているが、それは新規パラメータではなく、予想された合併パラメータではないだろうか?
 300人のIPF患者をレトロスペクティブに検討した報告がERSであった。

D.K. Oh,et al.
Combined pulmonary fibrosis and emphysema: A distinct entity?
ERS 2012 Oral Presentation


背景:
 CPFE症候群は疾患概念として近年提唱されているが、議論の余地がある。

目的:
 CPFEが、いわゆるIPFとまったく異なる予後や予後予測因子を持つ疾患なのか検証する。

方法:
 臨床データおよびHRCTで300人のIPF患者をレトロスペクティブに検証した。気腫のひろがりと線維化がスコア化され、中等度から重度の気腫(Grade2以上)がある患者は、CPFEに分類された。

結果:
 75人(25%)がいわゆるCPFEとして分類されたが、生存についてはIPFと変わりなかった(p=0.190)。両群において、生存は線維化スコアと有意に相関していたが、気腫スコアとは関連性がなかった。
 多変量解析では、IPFのみの患者群および全患者群において一秒量と線維化スコアは死亡の予測因子であった。しかしながら、両群においてDLCOは肺高血圧の規定因子となっており、線維化と気腫の合併が肺高血圧症を惹起しているものと考えられた。

結論:
 CPFEは生存の観点からは”合併疾患”であり、独立した疾患概念とは言いがたい。

by otowelt | 2012-09-03 16:12 | びまん性肺疾患

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