ERS2012:IPFにおける自己抗体異常は予後不良因子

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IPF患者で自己抗体が陽性になると、二次性IPと判断され特定疾患の申請や治療の足かせになることがある。真のIPF患者であっても、膠原病を合併する人もそりゃあいるだろうと常々思っているが、この医学的なふるい分けにどこまで意味があるのか答えは出ていない。

S. Hayward, et al.
Significance of abnormal autoantibodies in patients presenting with IPF
ERS 2012 Oral Presentation


背景:
 IPF患者のサブセットでは、膠原病症状がないにもかかわらず自己抗体の異常がみられる患者がいる。膠原病関連間質性肺疾患は一般的にIPFよりも予後が良いと考えられている。

目的:
 IPF患者において自己抗体の異常の頻度とその影響を調べる。

方法:
 連続したIPF患者を2002年1月1日から2010年12月31日までプロスペクティブにデータベースから抽出した。すべてのIPFは明らかな膠原病ではないものを登録し、HRCTでUIP所見があるものとした。HRCTおよび外科的生検で確実性があるものを、確定的IPFとしそれ以外のIPFはprobable IPFとした。自己抗体の異常は少なくともリウマチ因子40倍以上、抗核抗体640倍以上、または特異的ENAスクリーニングが陽性のものとした。2011年12月まで患者はフォローアップされた。233人の患者が登録され、25人は自己抗体がなかったため除外された。結果的に208人の患者データが報告され、95人が確定的IPFであった。

結果:
 自己抗体の異常は患者の18%にみられた。 確定的IPFとprobable IPFの比較、性別、年齢、喫煙歴、呼吸機能検査は、自己抗体異常患者と正常患者の間では差はみられなかった。3人の患者が明らかな膠原病を発症した。これらは全員自己抗体異常がみられた。生存期間中央値は、自己抗体異常患者では有意に短かった(39ヶ月 vs 69ヶ月、非補正HR 1.57 [0.97 to 2.53], p=0.07、年齢・性別・肺活量・喫煙歴・IPF確定性で補正したHR1.69[1.03 to 2.78] p=0.04)。

結論:
 全IPF患者のうち1%のみが明らかな膠原病を発症した。自己抗体の異常は生存の予後不良と関連していた。

by otowelt | 2012-09-04 07:26 | 膠原病

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