咳嗽は、強皮症による間質性肺疾患の線維化と治療反応性の指標になるかもしれない

e0156318_11493659.jpg膠原病肺の患者さんの場合、肺高血圧症では咳嗽は出ないが、線維化では咳嗽が出やすいのは確かだ。ただ、日常臨床でこの情報が実用的に役立つかどうかは微妙なラインであろう。

Arthur C. Theodore, et al.
Correlation of Cough With Disease Activity and Treatment With Cyclophosphamide in
Scleroderma Interstitial Lung Disease
Findings From the Scleroderma Lung Study
CHEST 2012; 142(3):614–621


背景:
 咳嗽は、強皮症による間質性肺疾患(SSc-ILD)の患者における有意な症状であり、the Scleroderma Lung Study (SLS)では158人の患者のうち73%にみられた。SLSは、多施設共同の経口シクロホスファミドとプラセボを活動性肺病変のある患者で検討したランダム化試験である。

方法:
 156人のSLS参加者のベースラインの咳嗽の頻度、重症度、痰と、シクロホスファミドおよびプラセボ治療後1年後の間質性肺疾患重症度と咳嗽反応性の相関性を調べた。

結果:
 ベースラインで咳嗽のあった患者は咳嗽のない患者と比較して、有意にDLCOが低下しており、身体的側面のQOLサマリースコア、HRCTにおける最大線維化スコアと関連していた。
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 咳嗽重症度と頻度はFVC%予測値と相関していた。治療12ヶ月後、咳嗽の頻度はプラセボ群と比較してシクロホスファミド群で減少しており、18ヶ月目においても有意な差がみられた(すなわちシクロホスファミド中止から6ヶ月)。
 上記のような有効性は、シクロホスファミド終了12ヶ月後にはベースラインと同等レベルに戻っていた。
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結論:
 咳嗽は強皮症による間質性肺疾患でよくある症状であり、線維化と相関がみられる。シクソホスファミドによる治療反応性が咳嗽にみられるが、治療終了1年後にはベースラインと同等にもどってしまった。
 咳嗽は進行性の線維化の症状であり、シクロホスファミドの治療反応性を解析する上での独立した因子となるかもしれない。

by otowelt | 2012-09-07 06:36 | びまん性肺疾患

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