結核合併AIDSにおけるIRISの頻度は早期HAART例に顕著

Kogieleum Naidoo, et al.
The Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome After Antiretroviral Therapy Initiation in Patients With Tuberculosis: Findings From the SAPiT Trial
Ann Intern Med. 2012;157:313-324.


背景:
 免疫再構築症候群(IRIS)は、抗結核治療を開始した共感染患者において抗レトロウイルス治療(ART)を行う上での障壁となっている。

目的:
 結核合併AIDS患者において、ART開始のタイミングに関連したIRISの頻度、受賞度、アウトカムを調べる。

デザイン:
 ランダム化オープンラベル臨床試験(ClinicalTrials.gov registration number: NCT00398996)

セッティング:
 南アフリカ共和国Durbanにおける外来クリニック

患者:
 642人のHIV+結核患者が登録

評価項目:
 SAPiTの二次解析(Starting Antiretroviral Therapy at Three Points in Tuberculosis)。
 IRISは結核治療を開始して4週間以内にARTを開始する群(early integrated treatment group)、結核強化治療が終わって4週以内にARTを開始する群(late integrated treatment group)、結核治療が終了してから4週以内にARTを開始する群(sequential treatment group)に割り付けられた。
 IRISは、治療反応性と随伴して新規に発症した症状・徴候の増悪、治療時に関連する放射線学的所見とした。IRISの重症度は、入院、寛解までの期間とした。

結果:
 IRISの頻度は100人年あたり、早期開始群19.5(n=43), 後期開始群7.5(n=18)、遂次開始群8.1(n = 19)であった。 CD4が0.050×109cells/L未満の場合、IRISの頻度はそれぞれ100人年あたり45.5, 9.7, 19.7であった。
 IRISの頻度は、早期開始群において有意に高くみられ、後期開始群と比較すると(incidence rate ratio,
2.6 [95% CI, 1.5 to 4.8]; P <0.001)、遂次開始群と比較すると(incidence rate ratio, 2.4 [CI, 1.4 to 4.4]; P 0.001)であった。他の2群と比較して、早期開始群はより重度のIRIS症例が多かった(35% vs. 19%; P = 0.179)。また、早期開始群のほうが他の2群よりも入院頻度が多く(42% vs. 14%; P= 0.007)、寛解までの期間が長かった(70.5 vs. 29.0 days; P = 0.001)。
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結論:
 結核合併AIDSに対してARTを早期に開始することは、IRISの頻度や重症度に有意に関連していた。これらの知見は特に、早期にARTを開始して生存的利益をもたらす必要のある低CD4患者のART開始例に関連していた。

by otowelt | 2012-09-11 17:36 | 感染症全般

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