嚢胞性線維症における早期の緑膿菌根絶治療の比較試験

Giovanni Taccetti, et al.
Early antibiotic treatment for Pseudomonas aeruginosa eradication in patients with cystic fibrosis: a randomised multicentre study comparing two different protocols
Thorax 2012;67:10 i doi:10.1136/thoraxjnl-2012-202596


背景:
 緑膿菌の慢性肺感染症は、嚢胞性線維症の患者において望ましくないイベントを起こしうる。細菌クリアランスは病原菌同定ののちに早期抗菌薬治療を開始することで可能となる。現時点では、早期治療には最良のプラクティスはない。

方法:
 嚢胞性線維症は、臨床的所見と汗のCl濃度>60 mmol/litreから診断をおこなった。
 13施設共同のランダム化オープンラベル並行群間試験で、吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシンを吸入コリスチン/経口シプロフロキサシン(リファレンス治療群)と28日にわたり比較をおこなった。
 適格基準は初期ないし新たに緑膿菌が童貞された1歳より上の患者とした。治療は、一元的にバランス化され、年齢や一秒量によって層別化された。登録患者と介入者には、どの治療を受けるかという点は盲検化されなかった。
 プライマリエンドポイントは緑膿菌の微生物学的根絶eradicationとした。6ヶ月で連続3回の培養陰性と定義された。解析はITTでおこなわれた。

結果:
 105人が吸入コリスチン/経口シプロフロキサシン(A群)に割り付けられ、118人が吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシン(B群)に割り付けられた。全患者が解析された。緑膿菌はA群で66人(62.8%)、B群で77人(65.2%)において微生物学的根絶にいたった(OR 0.90, 95% CI 0.52 to 1.55, p=0.81)。
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 平均54±39日のフォローアップで、平均FEV1 (±SD)のベースラインからの変化はA群で2.15% (±8.50)、B群で4.55% (±11.54)であった(p=0.18)。
 治療後、Stenotrophomonas maltophiliaがよく同定されたが(OR 3.97, 95% CI 2.27 to 6.94, p=0.001)、2群間では差はみられなかった(OR 0.89, 95% CI 0.44 to 1.78, p=0.88)。

結論:
 リファレンス治療と比較して、本試験では吸入トブラマイシン/経口シプロフロキサシンの統計学的な有効性を示すことはできなかった。早期の根絶治療は、S maltophiliaの増加を招くかもしれない。

by otowelt | 2012-09-12 11:40 | 感染症全般

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