リスペリドンに効果のあるAlzheimer病患者では、その断薬が精神症状再発のリスクに関連

e0156318_21221396.jpg 認知症患者さんの精神症状へのリスペリドンの継続使用は、やむを得ない場合のみに行うべきであるというのがスタンダードです。ただ、少量のリスペリドンが明らかに認知症患者さんに利益をもたらすことがあるため、このスタディが組まれました。結果的には利益のある患者群がいるだろうと考えられます。

D.P. Devanand, et al.
Relapse Risk after Discontinuation of Risperidone in Alzheimer's Disease
N Engl J Med 2012; 367:1497-1507


背景:
 Alzheimer病で、精神症状あるいは興奮・攻撃性に対して抗精神病薬に効果のあった患者で、継続投薬の後に中止することでの症状が再発するかどうか、そのリスクはよくわかっていない。

方法:
 Alzheimer病患者において、精神症状あるいは興奮・攻撃性のある患者に、非盲検下でリスペリドンを16 週間投与。その折にリスペリドン療法に効果のあった患者を、続いて3種類のレジメンのいずれかに二重盲検下でランダムに割り付けた。
 グループ1:32週間のリスペリドン継続療法
 グループ2:16週間のリスペリドン療法後に16週間のプラセボ投与
 グループ3:32週間のプラセボ投与
プライマリアウトカムは、精神症状または興奮の再発までの期間とした。

結果:
 180人の患者に、非盲検下でリスペリドンを投与(平均用量0.97mg/日)。精神症状と興奮の重症度は低下したものの、錐体外路徴候に軽度の増加があった。
 112人が治療に効果があり、ランダム化フェーズへ移行できたのは110人であった。ランダム化の後最初の16週での再発率は、プラセボ投与群のほうがリスペリドン投与群よりも高かった(60% [24 of 40 patients in group 3] vs. 33% [23 of 70 in groups 1 and 2]; P=0.004; hazard ratio with placebo, 1.94; 95%CI, 1.09 to 3.45; P=0.02)。引き続く16週での再発率は、リスペリドンからプラセボに切り替えた群のほうがリスペリドン投与を継続した群よりも高いものであった(48% [13 of 27 patients in group 2] vs. 15% [2 of 13 in group 1]; P=0.02; hazard ratio, 4.88; 95% CI, 1.08 to 21.98; P=0.02)。
 ランダム化後の有害事象発生率と死亡率にそれぞれの群間で有意差はなかったが、特に最後の16週で比較対象となる患者数が少なかった。

結論:
 Alzheimer病患者において、精神症状または興奮に対し4~8ヶ月間のリスペリドン療法に効果があった場合、リスペリドンの中止は再発リスクの上昇に関連。

by otowelt | 2012-10-21 00:08 | 内科一般

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