IPFにおけるDHEA/DHEA-S不均衡的減少が抗線維化機構を抑制

Criselda Mendoza, et al.
DHEA has strong antifibrotic effects and is decreased in idiopathic pulmonary fibrosis
ERJ November 8, 2012 erj00274-2012


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、筋線維芽細胞と異常肺リモデリングに特徴づけられた、年齢関連性の肺疾患である。デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は、ステロイドプロホルモンであり年齢とともに減少するが慢性変性疾患によっても減少するとされている。

方法:
 われわれは、血清DHEAおよび硫酸化DHEAレベルを137人のIPF患者と年齢および性別をマッチさせた58人のコントロールで測定し、ヒトの肺の線維芽細胞に対する影響を調べた。

結果:
 IPFのうち87人が男性、50人が女性であった(64.1±9.9歳)。
 血清DHEA/DHEA-Sは有意に男性のIPF患者で減少していた(DHEA, 平均(最大-最小): 4.4 (0.2-29.2) vs 6.7 (2.1-15.2) ng/ml; p<0.01; DHEAS,中央値: 47 (15.0-211) vs 85.2 (37.6-247.0)μg/dl; p<0.001)。一方女性ではDHEA-Sのみが有意に減少(中央値: 32.6 (15.0-303.0) vs 68.3(16.4-171); p<0.001)。
 DHEAは線維芽細胞増殖を減少させるはたらきがあり、~2倍の線維芽細胞アポトーシスを確認した。これらは、カスパーゼ-9活性化による内因性経路を経ているものと考えられた。
 さらにこれらは、プロアポトーシス蛋白のいくつかのアップレギュレーションに付随しており(Bax and cyclin-dependent kinase-inhibitor CDNK1A)、抗アポトーシス蛋白のダウンレギュレーションに関連していた(c-IAP1/c-IAP2など)。DHEAは、TGF-β1によるコラーゲン産生を有意に減少させ、線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化やPDGFによる線維芽細胞遊走を抑制した。

結論:
 IPF患者においてDHEA/DHEA-Sの不均衡的減少がみられ、この分子が複数の抗線維化特性を有することがわかった。

by otowelt | 2012-11-12 20:25 | びまん性肺疾患

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