肺扁平上皮癌のうち16%がFGFR1増幅を有するが、患者特性は同定できず

呼吸器科医にとっては興味深い、FGFR1の話題です。

Heist, Rebecca S., et al.
FGFR1 Amplification in Squamous Cell Carcinoma of The Lung
Journal of Thoracic Oncology: December 2012 - Volume 7 - Issue 12 - p 1775–1780


背景:
 FGFR1:fibroblast growth factor receptor 1 (FGFR1)の増幅については肺扁平上皮癌で報告されており、治療の分子標的として有望とされている。しかしながら、この臨床相関性についてはほとんどわかっていない。

方法:
 このスタディは、226人の扁平上皮癌を2005年から2011年までの間Massachusetts General Hospitalで観察したものである。臨床的、人口動態的特徴を調べ、手術・放射線治療・化学療法を含めた治療内容、生存についてもデータを抽出した。FISH法によってFGFR1が検索された。

結果:
 226人の肺扁平上皮癌の患者のうち37人(16%)がコピー数がコントロール群より2.2倍以上高いカットオフ値でFGFR1増幅がみられた。FGFR1増幅ステータスは年齢、性別、病期、扁平上皮癌の中における組織サブタイプ、喫煙歴とは関係がみられなかった。
 FGFR1増幅ステータスは、全生存と有意な相関はみられなかった。ただし、サンプルサイズの大きさから考えるとこれは結論つけがたい結果であった。

結論:
 肺扁平上皮癌の患者のうち16%にFGFR1増幅がみられた。臨床的、人口動態的特徴を有しない患者群である可能性があるため、扁平上皮癌患者においてこの増幅を同定する場合、全患者をスクリーニングする必要があるのではないかと考えられる。

by otowelt | 2012-11-26 13:27 | 肺癌・その他腫瘍

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