スクリーニングで同定された肺癌患者のうち非喫煙者のアウトカムは既往喫煙者より良好

藤沢市民病院からの論文です。

Hideyuki Nagakura, et al.
The Impact of a Negative History of Smoking on Survival in Patients with Non-Small Cell Lung Cancer Detected with Clinic-based Screening Programs
Intern Med 51: 3115-3118, 2012


目的:
 このスタディの目的は、スクリーニングプログラムにおいて同定された非喫煙者における非小細胞肺癌(NSCLC)の疫学的特徴を調べることである。

方法:
 NSCLCにおける臨床病理学的因子と生存アウトカムを同定するため、藤沢市でおこなわれたスクリーニングプログラムで異常を指摘され、2000年4月から2010年12月までに藤沢市民病院でNSCLCと診断された患者285人の診療録を検証した。

結果:
 スクリーニングプログラムで336人のNSCLCが同定され、このうち285人が藤沢市民病院で診断を受け、本試験の解析対象となった。66.7%が既往喫煙者であった。285人のうち、95人(33.3%)が非喫煙者であった。既往喫煙者の比較では、非喫煙者は有意に女性と腺癌が多かった(女性:86.3% vs. 12.6%: p<0.001、腺癌:94.7% vs. 55.8%: p<0.001,)。
 非喫煙者における全生存率(OS)は、既往喫煙者より有意に高かった(p=0.004)。非喫煙者では生存期間中央値は同定できず(60%以上が生存)、既往喫煙者では58.7ヶ月であった(95% CI: 33.5 to 83.9 ヶ月)。
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 喫煙歴に加えて、単変量解析で有意であった因子は、性別、病期(I vs その他)、組織型(腺癌 vs その他)、初回治療(切除 vs その他)であった。多変量解析では、喫煙歴、病期、初回治療が独立予後規定因子であった。

結論:
 スクリーニングプログラムで同定されたNSCLCにみられる非喫煙者と既往喫煙者の間の臨床病理学的因子と生存アウトカムの違いは、喫煙を始めないように啓蒙する意味合いで重要な意味を持つであろう。

by otowelt | 2012-11-29 13:35 | 肺癌・その他腫瘍

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