多剤耐性結核に対するリネゾリドは有効であり、減量することで副作用を減らすことが可能

MDR-TBでリネゾリドを使用することがありますが、600mg1日2回を長期間継続することは難しいので、300mg1日2回といったレジメンのほうが妥当であると考えられています。

Giovanni Sotgiu, et al.
Efficacy, safety and tolerability of linezolid containing regimens in treating MDR-TB and XDR-TB: systematic review and meta-analysis
Eur Respir J 2012 40:1430-1442


背景:
 リネゾリドは多剤耐性結核(MDR-TB)に対して使用されているが、システマティックエビデンスが不足している。われわれは、リネゾリドを含むレジメンにおける効果と安全性を検証すべくシステマティックレビューとメタアナリシスを施行した。
 ただし、ランダム化比較試験を集めたものではない。

方法:
 PRISMAに基づき、12試験(3大陸11ヶ国より)がMDR-TBのリネゾリドを含むレジメンの安全性、忍容性、効果に対して完全な情報を報告していた。半数の6試験がヨーロッパの試験であった。メタアナリシスは、治療アウトカムのある121人の患者の個々のデータを用いて行われた(治癒、完遂、死亡あるいは失敗)。
 5例を下回る試験やin vitro試験、感受性データの無い試験などは除外された。

結果:
 超多剤耐性結核(XDR-TB)が32.5%に認められた。
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 ほとんどのMDR-TBの症例は喀痰塗抹陰性化(86人(92.5%)/93人)、培養陰性化(100人(93.5%) /107人)がリネゾリド含有レジメンによって達成された(塗抹と培養陰性化までの中央期間(IQR)は43.5日(21–90)、61日(29–119))。121人のうち99人(81.8%)が治療に成功した。
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 サブグループ効果解析では、リネゾリドの投与量600mg超と以下で有意な差はみられなかった。
 副作用はおおよそ2人に1人(107人中63人(58.9%))で観察された。貧血(38.1%)、末梢神経障害(47.1%)、消化器系副作用(16.7%)、視神経炎(13.2%)、血小板減少(11.8%)。副作用の頻度はリネゾリド600mgを超える場合に有意に多くみられた。

結論:
 このスタディでは、MDR-TBに対するリネゾリドの効果は優れていたが、副作用の観点から処方には注意が必要であろう。

by otowelt | 2012-12-05 02:10 | 抗酸菌感染症

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