M. intracellulareはM. aviumより重症で予後不良である

呼吸器科医にとってはとても興味深い報告でしょう。

Won-Jung Koh, et al.
Clinical Significance of the Differentiation Between Mycobacterium avium and Mycobacterium intracellulare in M avium Complex Lung Disease
CHEST. 2012;142(6):1482-1488


背景:
 Mycobacterium aviumMycobacterium intracellulareは、双方ともにM avium complex(MAC)として扱われている。しかしながら、これらの違いによる臨床的な影響についてはほとんどわかっていない。このスタディは、M. aviumと、M. intracellulareの肺病変について臨床的特徴と予後を比較したものである。

方法:
 2000年から2009年までに590人の患者が新規に肺MAC症と診断された。M. aviumが323人(55%)、M. intracellulareが267人(45%)であった。

結果:
 M. avium症と比較すると、M. intracellulare症は有意に以下の特徴を有していた。
・高齢である(64歳 vs 59歳, P = .002)
・BMIが低い(19.5 kg/m2 vs 20.6 kg/m2, P < .001)
・咳嗽などの呼吸器症状が多い(84% vs 74%, P = .005)
・結核治療歴が多い(51% vs 31%, P < .001)
・線維空洞型が多い(26% vs 13%, P < .001)
・喀痰抗酸菌塗抹が陽性になりやすい(56% vs 38%, P < .001)
・24ヶ月のフォローアップ間の抗菌薬治療(58% vs 42%, P < .001)
・抗菌薬併用療法後の治療反応不良(56% vs 74%, P = .001)


結論:
 M. intracellulareによる肺疾患は、M. aviumと比較してより重症の特徴を有し、疾患の進行や治療反応性の観点から予後は不良である。そのため、これらの区別をおこなうことは予後予測や治療反応性の点から有用であろう。

by otowelt | 2012-12-08 00:39 | 抗酸菌感染症

<< 喀痰の色は有用なのか? ベンゾジアゼピンは市中肺炎の発... >>