未分類間質性肺疾患の臨床的特徴

 unclassifiable ILDは未分類ILDあるいは分類不能ILDなどと訳されますが、ここでは未分類ILDと記載します。

Christopher J. Ryerson, et al.
Prevalence and prognosis of unclassifiable interstitial lung disease.
Eur Respir J erj01319-2012; published ahead of print 2012


背景:
 未分類(分類不能)間質性肺疾患:unclassifiable interstitial lung disease (ILD)の患者の頻度や特徴、アウトカムを同定し、疾患のふるまいを予測する簡単な方法を提案する。

方法:
 未分類ILD患者は、縦断的コホート(The University of California San Francisco ILD Clinic)から同定された。未分類ILDは、多角的レビューによっても特定の間質性肺疾患の診断に到達できなかったものとした。臨床的特徴とアウトカムは、特発性肺線維症(IPF)、非IPF-ILDと比較された。独立死亡予測因子がCox比例ハザード解析によって同定された。

結果:
 未分類ILDは、ILDコホートのうち10%に同定された(1370人中132人)。平均年齢68歳で、男女比は同等であった。64%に喫煙歴があった。分類不能となった理由の多くは、外科的生検のリスクが高いために病理学的アセスメントができなかったことによる(52%)。他にも、臨床-放射線学的-病理学的所見の不一致(18%)、外科的生検そのものが疾患病態の安定性にリスクをもたらす可能性があること(9%)、などが原因であった。
 未分類ILDの17%はHRCTでUIPパターン、50%がpossible UIPパターンであった。55%の症例が治療を受けており、プレドニゾロン(48%)やアザチオプリン(9%)によって治療されていた。
 未分類ILDの特徴や生理学的特長はIPFと非IPFの中間に位置していた。未分類ILDは、IPFに比べると生存が長く(ハザード比0.62, p=0.04)、非IPF-ILDとは同等の生存であった(ハザード比1.54, p=0.12)。未分類ILDの生存における独立予測因子は、DLCO(p=0.001)、放射線学的線維化スコア(p=0.02)であった。
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↑A:非補正生存曲線、B:年齢・性別・努力肺活量・DLCOで補正した生存曲線
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↑未分類ILDのDLCO、線維化スコア別の生存曲線
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結論:
 未分類ILDは、ILDの症例の約10%にみられ、臨床的・放射線学的因子による予測が可能な不均一な臨床経過をとる。

by otowelt | 2012-12-11 00:14 | びまん性肺疾患

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