クリスマスBMJ:訓練されたビーグル犬はClostridium difficileのにおいがわかる

毎度おなじみクリスマスBMJ。犬の動画つきで最高にかわいい論文です。

Christmas BMJ 2012
Marije K Bomers, et al.
Using a dog’s superior olfactory sensitivity to identify Clostridium difficile in stools and patients: proof of principle study
BMJ2012;345doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e7396(Published 13 December 2012)


目的:
 犬の嗅覚が便検体や院内の患者におけるClostridium difficileの同定に有用かどうかを検証する。

デザイン:症例対照研究

セッティング:2つの大きなオランダ教育病院

理念:
 2歳のビーグル犬をC.difficileのにおいを同定するよう訓練し、300人の患者(30人のC.difficile感染者と270人ノコントロール)でテストした。

介入:
 ビーグル犬は訓練者に寄り添って病棟内を案内され、登録された患者が感染者かどうかは犬および訓練者に対して盲検下された。
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 犬は、C.difficile感染者を同定した場合に「おすわり」あるいは「まて(ふせ)」をおこなうよう訓練された。
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主要アウトカム:
 便検体や患者のC.difficile感染の同定におけるビーグル犬の嗅覚の感度と特異度。

結果:
 便検体においてC.difficile感染を同定するための犬の感度と特異度は、いずれも100%であった(95%信頼区間91%-100%)。ラウンドでの同定中、患者に対して犬はC.difficile感染者30症例中25例(感度83%, 95%信頼区間65%-94%)、コントロール患者270症例中265例で正しく同定できた(特異度98%,95%信頼区間95%-99%)。
 患者病態と犬の嗅覚の結果が不一致であった症例については、以下の状況が観察された。
・犬が床のプラスチックのカップに気を取られてボーっとしていた
・塩素のにおいが邪魔をした
・ある患者2人がベッドをチェンジしていたため、どっちが真の感染者かわからず、ベッドの間をウロウロしていた
・陰性患者であり、このスタディの協力を拒否していたが、どういうわけか犬がエキサイトして部屋に突撃してしまい、なおかつその患者のそばに座ってしまった

ディスカッション:
 犬は、浮遊しているC.difficileを嗅覚で同定できる可能性がある。これは迅速診断において非常に有用と考えられる。しかし、個室に移動した感染患者に接したときに個室であるがゆえにいつもと違うふるまいを訓練者および犬にもたらした可能性は否定できない。また、今回の検証は1人の訓練者と1匹の犬で行われており、他の訓練者や犬で同等の結果がもたらされるかどうか不明である。 

結論:
 訓練された犬は、C.difficile感染の便検体および患者において高い感度と特異度で識別できる嗅覚を有する。

by otowelt | 2012-12-16 09:28 | その他

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