赤血球粒度分布幅(RDW)高値はIPFの予後不良因子

e0156318_21125789.jpg 私たちが診療している疾患のいくつかは、意外にも単純なバイオマーカーが身近にあるのかもしれません。
 RDWは赤血球の大きさのばらつき度合いを示すものだと認識していますが、貧血のときに教科書を引っ張り出してきて参考にする程度でしか正直使ったことがありません。血液検査をすればRDWが記載されているので、IPFの患者さんで観察してみるのも興味深いかもしれませんね。

Steven D. Nathan, et al.
The Red Cell Distribution Width as a Prognostic Indicator in IPF
CHEST. 2012doi:10.1378/chest.12-1368


背景:
 IPFの臨床経過はさまざまな疾患進行のパターンを呈する。赤血球粒度分布幅:RDW(red cell distribution width)は、血算検査でルーチンに報告されるパラメータである。IPFと診断された患者コホートにおいてRDWと予後予測における関連性を検証した。

方法:
 1997年1月から2011年6月までの間、CBC、人口動態、呼吸機能データをIPF患者から抽出した。

結果:
 319人のIPF患者がベースラインCBCを評価された。RDWは11.9から21.9であった(平均14.1)。228人の患者はRDWが15以下(正常)であり、91人がRDWが15超であった。
 RDWが正常であったIPF患者は生存期間中央値が43.1ヶ月であり、RDWが15超であった患者群の16.3ヶ月よりも有意に長かった(p=0.001)。
 198人が連続したRDWデータが有用であった。1ヶ月あたりRDWが+0.010以下の場合の生存期間中央値は43ヶ月であり、+0.010超の場合23.9ヶ月であった(p = 0.0246)。

結論:
 IPF患者のフォローアップにおいて、RDWは有用な検査であり重要かつ独立した予後的情報を与えるものである。さらなる研究によってIPFのアウトカムに対するバイオマーカーとしての妥当性を検証する必要があるだろう。

by otowelt | 2012-12-18 00:09 | びまん性肺疾患

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