新生児死亡肺にニューモシスティスが高頻度に存在、MUC5AC発現が増加

Sergio L. Vargas, et al.
Near-Universal Prevalence of Pneumocystis and Associated Increase in Mucus in the Lungs of Infants With Sudden Unexpected Death
Clin Infect Dis. (2013) 56 (2): 171-179.


背景:
 ニューモシスティスが新生児の剖検でみられることがあるが、その頻度や重要性についてはよくわかっていない。興味深いことに、この緩やかな感染症は若いげっ歯類において粘液分泌関連遺伝子の強い活性化を促すとされているが、新生児での検証はなされていない。
 過剰な粘液分泌は非特異的経路を通して複数の気道攻撃因子によって誘導されており、これにより気道疾患におけるニューモシスティスの共因子が説明できるかもしれない。われわれは、ニューモシスティスの頻度の特性および新生児肺の粘液の関連性を調べた。

方法:
 サンティアゴで1999年から2004年までに突然死した128の新生児(平均年齢101日)で、P. jirovecii mtLSU rRNA遺伝子のnested PCR(nPCR)、免疫蛍光顕微鏡検査法(IF)によってニューモシスティスを調べた。ニューモシスティス陰性の日齢28以上の新生児とニューモシスティス陽性の近接した日齢新生児において、MUC5AC発現・ニューモシスティス有無がウエスタンブロットとPCRによって調べられた。

結果:
 ニューモシスティスDNAはnPCRにより128新生児のうち105人(82.0%)で同定された。DNA陽性新生児のうちニューモシスティスはIFで99人(94.3%)で可視化できた。
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 感染は、生後3-4ヶ月において最もよく観察され、41人中40人で陽性であった(97.6%)。
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 MUC5ACは有意にニューモシスティス陽性検体で発現が増加していた(P = .013)。
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 113人(88.3%)の死亡が説明できない死であり、ニューモシスティスはその113人中95人(84.0%)で同定された。一方説明できる死亡15人中10人(66.7%)でニューモシスティスが同定された(P = .28)。

結論:
 剖検診断の内容にかかわらず、予期せぬ新生児の死亡肺から検出された局所のニューモシスティスの存在が粘液分泌の増加させていること確認された。

by otowelt | 2012-12-27 00:05 | 感染症全般

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