胸水中メソテリンは悪性胸膜中皮腫の診断に有用であり、腎機能に影響されない

胸水中メソテリンの有用性に関する報告です。e0156318_9511737.jpg

Clare E. Hooper, et al.
A prospective trial evaluating the role of mesothelin in undiagnosed pleural effusions
Eur Respir J 2013 41:18-24.


背景:
 メソテリン(mesothelin)は、中皮細胞から産生される40-kDaの糖蛋白である。これは、悪性胸膜中皮腫(MPM)の診断に役立つツールとして提唱されている。しかし、腎機能障害によって影響を受けることが過去の試験でわかっている(Lung Cancer 2011; 73: 320–324.、Clin Chem 2009; 55: 1431–1433.)。
 われわれは、血清および胸水中メソテリンのMPMに対する診断能について検証をおこない、腎機能障害が結果に及ぼす影響についても調べた。

方法:
 われわれはプロスペクティブに230人の新規未診断胸水患者を登録し、血清(n=216)および胸水(n=206)のメソテリンをELISAによって測定した。

結果:
 230人中28人(12%)がMPMであった。MPMとそのほかの疾患との鑑別において、血清メソテリンは感度59.3%、特異度64.7%、陰性的中率(NPV) 91.2%、陽性的中率(PPV) 20.5%であり、胸水中メソテリンは感度72.0%、特異度87.5%、NPV 95.5%、PPV 46.2%であった。マッチ比較では、胸水メソテリンの診断特性は血清よりも高かった(p=0.0001)。
e0156318_947929.jpg

 MPMにおける血清メソテリンは、腎機能障害患者において有意に高かったが(p=0.007)、胸水中メソテリンは影響を受けなかった。良性胸水でGFR59ml/min以下であった35人のうち19人(54%)で血清メソテリンの偽陽性が確認された。
e0156318_9472552.jpg
結論:
 胸水中メソテリンの診断精度は血清よりも優れており、腎機能に影響を受けない。中皮腫の検査前確率が低い患者では、高いNPVであるがゆえにメソテリンが陰性であればその確からしさは増すであろう。ただ、未診断胸水においてメソテリンをルーチンに測定することは有用でないかもしれない。

by otowelt | 2013-01-04 04:32 | 肺癌・その他腫瘍

<< 入院を要するCOPD患者に対し... 呼吸器専門医数が少ないほど、気... >>