ICUの血圧測定は、収縮期血圧や非侵襲性測定法ではなく平均血圧をA-lineで測定する方が有用

e0156318_10574725.jpgICUにおけるMAPの重要性がわかる論文です。

Lehman, Li-wei H, et al.
Methods of Blood Pressure Measurement in the ICU
Critical Care Medicine: January 2013 - Volume 41 - Issue 1 - p 34–40


目的:
 ICUにおける血圧測定モニタリングにおいて、収縮期血圧か平均血圧のいずれが治療プロトコール上のターゲットにすべきかどうかその有用性を検証された報告はとても少ない。このスタディの目的は、実臨床における侵襲性血圧測定(A-line)と非侵襲性血圧測定(オシロメトリック式血圧測定)を比較し、その2測定の差が臨床的にどのように影響を及ぼすか調べたものである。

デザイン:
 侵襲性血圧測定と非侵襲性血圧測定を大規模ICUデータベース:Multiparameter
Intelligent Monitoring for Intensive Care (MIMIC)-II Databaseを使用して比較したレトロスペクティブ試験。両血圧測定の一対比較(ペアワイズ比較)をおこなった。収縮期血圧と平均血圧を侵襲性および非侵襲性でおこない、急性腎傷害とICU死亡率との関連を調べた。

セッティング:
 三次医療施設における成人ICU

患者:
 2001年から2007年までICUに入室した成人患者

結果:
 27022人の両血圧測定をおこなった一対比較解析で、非侵襲性血圧測定は低血圧時に収縮期血圧を過度に見積もっていることがわかった。
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 急性腎傷害とICU死亡は1633人、4957人の患者に認められた。われわれの試験の結果によれば、低血圧時の非侵襲性血圧測定による収縮期血圧はこれら両病態に有意に差がみられた(急性腎傷害の頻度:p = 0.008、ICU死亡:p < 0.001)。非侵襲性血圧測定と侵襲性血圧測定の平均血圧はよい一致がみられ、急性腎傷害の頻度(p = 0.28)やICU死亡(p = 0.76)の間に有意差がみられなかった。
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結論:
 侵襲性と非侵襲性の収縮期血圧測定では、臨床的に有意な解離が低血圧時に観察される。ただ、両測定方法による平均血圧は、患者の予後解析における動態でも一致した解釈が可能かもしれない。われわれの試験結果によれば、収縮期血圧よりも平均血圧の方がICUでの治療モニタリングに有用であろうと考えられる。

by otowelt | 2013-01-07 12:22 | 集中治療

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