成人の発熱性好中球減少症に対する抗菌薬予防と外来マネジメントのガイドライン(2013)

Christopher R. Flowers, et al.
Antimicrobial Prophylaxis and Outpatient Management of Fever and Neutropenia in Adults Treated for Malignancy: American Society of Clinical Oncology Clinical Practice Guideline
JCO, Published Ahead of Print on January 14, 2013


●発熱期間や死亡率に有意差を与えないという報告があるため、積極的なG-CSF使用は推奨されない。G-CSFはASCOガイドラインに準じて使用する:初回化学療法投与時の予防的G-CSFは特別な場合を除き推奨されない。すなわち、化学療法により感染性の合併症がおきるリスクファクターを有する患者には予防的
G-CSF投与は例外的に認められる。
 - 疾患そのもの影響、前治療の影響、広い範囲の骨盤や他の部位の放射線照射などで、すでに好中球減少が存在する場合
 - より少ない量の化学療法で過去に発熱性好中球減少があった場合
 - PS不良
 - 高度進行癌
 - 免疫力の低下
 - 開放創の存在
 - すでに感染症が存在している場合
また、ハイリスクの発熱性好中球減少(好中球<100/μL・コントロール不良の現病気・肺炎・低血圧・多臓器不全・真菌感染症など)の患者にはG-CSFの投与を考えるべき。
●もし好中球100/μL未満が7日を超えて続くと予想される場合、他の合併症や死亡率を増加させるリスクがなければ、抗菌薬および抗真菌薬での予防をおこなう。
●抗真菌薬による予防は固形癌患者では推奨されず、侵襲性真菌感染症のリスクが高い患者に限定すべきである。
●ニューモシスティス肺炎のリスクがある場合、プレドニゾン20mg以上を1ヶ月以上にわたって内服している場合にはST合剤の予防をおこなうべきである。
●季節性インフルエンザワクチン接種は基本的に化学療法を受ける癌患者全例におこなうべきであり、家族等にもおこなうべきである。曝露リスクが高い場合にはノイラミニダーゼ阻害薬投与がすすめられる。
●医療従事者は手洗いや咳エチケットを遂行すべきである。
●外来患者は、解体現場などの真菌曝露が増加する場所を避けるべきである。

●臨床的利益があるというエビデンスが不足しているため、履き物を替えること、環境予防、呼吸器マスクあるいはサージカルマスク、滅菌食、栄養サプリメントなどは推奨されない。
●発熱性好中球減少症の患者のリスク評価のためにMultinational Association for Supportive Care in Cancer(MASCC)スコアあるいはTalcott’s rulesの使用がすすめられる。MASCCスコア21点以上あるいはTalcott’s group 4は低リスクである。
●以下の発熱性好中球減少患者は外来でフォローアップが可能である。
 - 病院から1時間以内あるいは30マイル(4km)以内に住んでいる
 - 患者のかかりつけ医や腫瘍内科医が外来でのマネジメントに同意している
 - 受診頻度を含む、論理的な内容の受け答えができる
 - 24時間体制で家族あるいは介護者がいる
 - 24時間体制で電話と搬送のアクセスがある
 - 治療プロトコールのコンプライアンス逸脱歴がない

●経口フルオロキノロンは細菌感染予防として望ましく、経口トリアゾールは真菌感染予防として望ましい。
●発熱前にフルオロキノロンの予防が導入されていなければ、経口フルオロキノロン+アモキシシリン/クラブラン酸(ペニシリンアレルギーなら+クリンダマイシン)が初期治療として推奨される。
●経口フルオロキノロンによる予防をすでに使用しているか、耐性率が20%を超える場合、経口フルオロキノロンの使用は推奨されない。

by otowelt | 2013-01-16 09:48 | 肺癌・その他腫瘍

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