MUC5Bのポリモルフィズムは特発性肺線維症に関連するが、全身性強皮症やサルコイドーシスでは関連せず

MUC5BとIPFの話題です。特異性の高い線維化関連SNPであるという報告です。

Carmel J Stock, et al.
Mucin 5B promoter polymorphism is associated with idiopathic pulmonary fibrosis but not with development of lung fibrosis in systemic sclerosis or sarcoidosis.
Thorax Online First, published on January 15, 2013 as 10.1136/thoraxjnl-2012-201786


背景:
 イギリスのスタディにより、MUC5B転写部位の3kb上流のポリモルフィズム(rs35705950)は、家族性や孤発性特発性肺線維症(IPF)に関連していると考えられている(N Engl J Med 2011;364:1503–12., N Engl J Med 2011;364:1576–7.)。
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われわれは、この変異が線維性肺疾患のリスク因子となるのかどうかを調べ、イギリスの白人のIPF集団におけるデータを提示する。

方法:
 イギリス白人の健常者コントロール(n=416)とIPF患者(n=110)、サルコイドーシス患者(n=180)、全身性強皮症患者(SSc) (n=440)が登録され、ジェノタイピングを受けた。SScとサルコイドーシスのコホートは、肺に線維化があるかないかでサブグループ化された。疾患進行との関連性を評価するため、努力性肺活量やDLCOが減少するまでの期間がIPFとSSc群で調べられた。

結果:
 イギリス人の集団において、MUC5BプロモーターのSNPは有意にIPFと関連していた(p=2.04×10–17; OR 4.90, 95% CI 3.42 to 7.03)。
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MUC5Bの変異はSScやサルコイドーシスにおける肺線維化とは関連しておらず、急速進行性の肺疾患とも関連性がなかった。

結論:
 IPFとMUC5Bの変異には関連性がある。SScやサルコイドーシスの肺繊維化とは関連性がみられなかったが、この結論は限られたサブグループ数に由来するため、確実にその可能性を除外すると結論づけるものではない。

by otowelt | 2013-01-23 00:29 | びまん性肺疾患

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