右室収縮機能障害のある進行IPFに対するシルデナフィルは運動耐容能の保持が良好

e0156318_9353956.jpgIPFに対するレバチオの話題です。STEP-IPF試験ではプライマリエンドポイントである6分間歩行距離が改善しませんでした。そのため、セカンダリエンドポイントの解析が待たれていました。

Han MK, et al.
Sildenafil Preserves Exercise Capacity in IPF Patients with Right Ventricular Dysfunction.
Chest. 2013 Jan 24. doi: 10.1378/chest.12-1594. [Epub ahead of print]


背景:
 特発性肺線維症(IPF)は、肺血管障害を伴う進行性の肺疾患である。

目的:
 右室機能障害を有する患者において、シルデナフィルが6分間歩行距離(6MWD)を改善するかどうか調べる。

方法:
 これはIPFnet主導のランダム化比較試験(STEP-IPF試験:N Engl J Med 2010;363:620-8.)の解析である。シルデナフィルが進行IPF(DLCOが予測値の35%未満)患者において6MWDに効果をもたらすかどうか検証したものである。2人の循環器科医によって180人中119人のIPF患者に独立して超音波検査がおこなわれた。右室肥大(RVH)、右室収縮機能障害(RVSD)、右室収縮期圧(RVSP)が解析された。多変量線形回帰モデルにより右室異常、シルデナフィル治療、6MWDの変化、St. George’s Respiratory Score (SGRQ)、EuroQol、SF36の間の関連性を調べた。

結果:
 RVHとRVSDは、それぞれ12.8%、18.6%に観察された。RVSPは119人中71人に測定可能で、平均RVSPは42.5mmHgだった。RVSD患者のサブグループでは、シルデナフィルで治療された患者はより6MWDの減衰が少なかった(99.3 m, p=0.01)。またシルデナフィルで治療された患者は、プラセボよりSGRQの改善が大きく (13.4 points, p=0.005)、EuroQol visual analog scoresも良かった(17.9 points, p=0.04)。RVH患者のサブグループでは、シルデナフィルは6MWDの変化には関連していなかった(p=0.13)、しかしSGRQの改善は有意であった(14.8 points, p=0.02)。RVSDおよびRVHのある患者において、シルデナフィルの治療はSF36の変化には寄与しなかった。

結論:
 RVSDのあるIPF患者に対するシルデナフィル治療は、プラセボと比較して運動耐容能の保持が良好である。シルデナフィルはRVHおよびRVSDのある患者において、QOLの改善もみられる。

by otowelt | 2013-01-30 00:02 | びまん性肺疾患

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