市中肺炎に対する全身性ステロイドは、臨床的効果が乏しく在院日数を延ばすだけ

e0156318_1310578.jpg市中肺炎に対する全身性ステロイド投与の意義について、スペインからの報告です。

Polverino E, et al.
Systemic corticosteroids for community-acquired pneumonia: Reasons for use and lack of benefit on outcome.
Respirology 2013 Feb;18(2):263-71.


背景および目的:
 市中肺炎における全身性のステロイド投与の利益は明らかではないものの、実臨床では頻繁に使用されている。われわれは、このプラクティスの頻度、患者の特徴、臨床的影響を報告する。

方法:
 1997年6月から2008年1月までの成人の市中肺炎の患者をプロスペクティブに観察した(n = 3257)。
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結果:
 260人の患者(8%)が全身性のステロイド投与を受けていた。平均投与量はメチルプレドニゾロン1日あたり45mg(中央値36mg)だった。ステロイドを受けた患者は、高齢(74歳 vs 65歳)で、合併症が多く(呼吸器系: 59% vs 38%, 心疾患: 29% vs 16%, などなど)、Pneumonia Severity Indexが高く(Fine IV-V, 76% vs 50%)、吸入ステロイド治療を受けている患者が多く(36% vs 15%)、抗菌薬の既往が多かった(31% vs 23%)(すべてP < 0.01)。
 全身性のステロイド投与の有意な予測因子は、COPD (オッズ比 1.91)、発熱(オッズ比 0.59)、喀痰 (オッズ比 1.59)、血清クレアチニン上昇(+1 mg/dL, オッズ比0.92)、動脈血酸素飽和度92%以上(オッズ比 0.46)、CRP上昇(+5 mg/dL; オッズ比 0.92)、心不全(オッズ比 1.76)であった。
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 死亡率(6% vs 7%; P = 0.43)および臨床的安定性が得られるまでの期間(4 (3-6) vs 5 (3-7) days; P = 0.11)は2群で差はみられなかったが、在院日数はステロイド投与群の方が長かった(9 (6-14) vs 6 (3-9) days; P < 0.01)。
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結論:
 COPDの存在や臨床的に重症であることが、市中肺炎に全身性ステロイドを用いるが主な理由である。しかし、治療によって死亡や臨床的安定性に影響は与えず、それどころか在院日数を延ばしてしまうかもしれない。ランダム化比較試験によって市中肺炎に対する全身性ステロイドが与える影響を調べる必要があるだろう。

by otowelt | 2013-01-31 00:54 | 感染症全般

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