UIPおよびfNSIPでは線維芽細胞巣が多いほど予後不良

e0156318_1351011.jpg 福岡大学病院から、線維芽細胞巣と臨床アウトカムを関連づけた興味深い報告です。

Harada T, et al.
Prognostic significance of fibroblastic foci in usual interstitial pneumonia and non-specific interstitial pneumonia.
Respirology. 2013 Feb;18(2):278-83.


背景および目的:
 線維芽細胞巣:Fibroblastic foci (FF)は線維芽細胞あるいは筋線維芽細胞の集積で構成され、呼吸不全をきたす肺の線維化の進行に関連すると言われている。いくつかのスタディによれば、FFの数は有意にusual interstitial pneumonia(UIP)を予測すると言われている。
 このスタディの目的は、呼吸機能障害や生検で線維性間質性肺炎(UIPやfibrotic non-specific interstitial pneumonia [fNSIP]を含む)と診断された患者の予後に、FFのひろがりが関連しているのかどうか調べることである。

方法:
 福岡大学病院、国立病院機構九州医療センター、国立病院機構福岡病院において1995年から2008年までの間、組織学的にUIPあるいはfNSIPと診断された間質性肺炎50人の患者で検証し、FFと呼吸機能の関連性が評価された。FF領域は全体の領域に対するFFの割合(%FF)および個々の患者から得られた組織検体中のFFの数(FF/cm2)で評価された。
 FFは、HE染色、Alcian Blue Periodic Acid-Schiff染色、elastica van Gieson染色で判定された。写真のAlcian Blue Periodic Acid-Schiff染色で青く染色された部位がFFである。
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結果:
 fNSIP群と比較して、UIP群は有意に%FF(0.266 ±0.233 vs 0.045 ±0.054、P < 0.0001)およびFF/cm2(7.07 ±45.12 vs 1.69± 2.07、P < 0.0001)が高かった。
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 UIPとfNSIPの患者を同時に解析した場合、死亡した患者群では有意に%FF(0.292 ±0.259 vs 0.101 ±0.106、P = 0.0020)およびFF/cm2(7.45 ± 6.17 vs 3.16 ± 3.49、P = 0.0034)が生存した患者群よりも多かった。
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 肺活量とDLCOの障害は、%FFおよびFF/cm2とおおむね相関していた(%Δ肺活量は%FFおよびFF/cm2に相関がみられた[それぞれrs = 0.333、0.294]。%ΔDLCOは%FFにのみ相関性がみられた[rs = 0.268])。
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結論:
 FFは呼吸機能障害に関連しており、UIPおよびfNSIPの患者の予後を推定する有用なパラメーターとなるかもしれない。

by otowelt | 2013-02-01 07:37 | びまん性肺疾患

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