COPD急性増悪に対するエタネルセプトは経口ステロイドに優位性を示せず

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COPD急性増悪に対するエタネルセプトの論文です。

Shawn D Aaron, et al.
TNFα antagonists for acute exacerbations of COPD: a randomised double-blind controlled trial
Thorax. 2013 Feb;68(2):142-8.


背景:
 COPD急性増悪時にはインターロイキン、TNF-αなどが増悪に関与している可能性が指摘されており、TNF-α阻害薬が有効であるかもしれない(Am J Respir Crit Care Med 2001;163:349–55.)。
 このランダム化二重盲検ダブルダミープラセボ対照試験は、TNF-α阻害薬であるエタネルセプトがCOPD急性増悪に対してプレドニゾンより抗炎症作用が効果的かどうかを検証したものである。

方法:
 われわれは81人のCOPD急性増悪をきたした患者を、経口のプレドニゾン40mgを1日1回10日間あるいはエタネルセプト50mgをランダム化した時と1週間後に皮下注射する治療にランダムに割り付けた。この際、プラセボ効果を最小限にするため、非エタネルセプト群ではプラセボの皮下注射を、非プレドニゾン群ではプラセボカプセルを投与した。いずれの治療群もレボフロキサシン10日間の治療に気管支拡張薬の吸入を併用した。
 評価はランダム化から7,14,30,90日目におこなった。
 プライマリエンドポイントは、ランダム化から14日目の一秒量とした。セカンダリアウトカムは90日治療失敗率、呼吸困難感、QOL:Chronic Respiratory Questionnaire (CRQ)とした。

結果:
 166人がスクリーニングを受け、81人がランダム化された。41人がエタネルセプト群、40人がプレドニゾン群に割り付けられた。両群とも患者特性に差はみられなかった。
 14日目のベースラインからの一秒量の変化の平均±標準偏差は、プレドニゾン群20.1±5.0%、エタネルセプト群15.2±5.7%であった。平均差は4.9% (95% CI−10.3% to 20.2%)であった(p=0.52)。
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 90日治療失敗率は両群とも同等であった(32% vs 40%, p=0.44)。呼吸困難感やQOLも同等であった。
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 サブグループ解析では、血清好酸球が2%超の場合にプレドニゾン群の方が治療失敗率は低かった(22% vs 50%, p=0.08)。

結論:
 エタネルセプトはCOPD急性増悪に対する治療としてプレドニゾンより効果的とは言えない。プレドニゾンの効果は、血清好酸球が2%を超えている場合により効果的である。

by otowelt | 2013-02-05 12:59 | 気管支喘息・COPD

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