誤嚥リスクの高い患者ではBAL中アミラーゼの上昇が誤嚥性肺炎の診断に有用かもしれない

e0156318_213478.jpg 典型的な誤嚥性肺炎はともかく、細気管支炎タイプの誤嚥性肺炎のようなケースではBAL中アミラーゼはきわめて有用なツールになるかもしれません。

Weiss, Curtis H, et al.
Bronchoalveolar Lavage Amylase Is Associated With Risk Factors for Aspiration and Predicts Bacterial Pneumonia
Critical Care Medicine: in press 2013.


目的:
 気道内へ口腔咽頭あるいは胃内容物を誤嚥することは重篤な障害をおよぼす疾患を孕む。誤嚥の診断はしばしば困難をきわめ、臨床的特徴や検査所見によって誤嚥を予測あるいは確定することは厳しい。
 われわれは、唾液腺や膵臓から分泌されるタンパクであるα-アミラーゼが誤嚥リスクの高い患者の気管支肺胞洗浄(BAL)で増加しているかどうか、またこのBAL中アミラーゼが細菌性肺炎の予測に役立つかどうか検証した。

デザイン:
 レトロスペクティブ解析。

セッティング:
 5つの成人ICU。(Northwestern Memorial Hospital)

患者:
 2008年8月1日から2010年7月30日までの間、挿管された人工呼吸器装着患者に対して72時間以内にBALを施行した。

結果:
 280人の患者が解析に組み込まれた。155のBAL中アミラーゼ検体は、少なくとも挿管前に1つ以上の誤嚥のリスク因子を有していた(意識障害、嚥下機能障害、挿管困難、挿管前後での嘔吐、心配停止状態)。
 BAL中アミラーゼの濃度は、挿管前リスク因子が多いほど増加していた(p < 0.001)。
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 加えて、BAL中アミラーゼは細菌性肺炎の患者で有意に上昇していた(cfu/mL ≧ 104) (p < 0.001)。
 BAL中の培養所見の陽性と陰性を区別するためのBAL中アミラーゼの有用性のROC曲線下面積は0.67 (95%信頼区間 0.60-0.75)であった。
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 少なくとも挿管前に1つ以上の誤嚥のリスク因子を有する患者のBAL中アミラーゼの95%信頼区間の下限は125.9 units/Lであった。多変量解析では、BAL中アミラーゼ125units/L未満の場合、有意に細菌性肺炎のオッズは低かった(オッズ比 0.39, 95%信頼区間0.21-0.71, p = 0.002)。

結論:
 BAL中アミラーゼの上昇は誤嚥のリスク因子であり、細菌性肺炎を予測するかもしれない。BAL中アミラーゼは、誤嚥が疑われる患者をマネジメントする場合の早期スクリーニングツールとして有用かもしれない。

by otowelt | 2013-02-06 00:04 | びまん性肺疾患

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