喀痰の抗酸菌塗抹検査は、別日2回と同日2回で診断精度は同等

e0156318_9262694.jpg肺結核の診断のための塗抹検査は最低でも2回おこなうよう推奨されています。日本の施設では3回採取されていることが多いですが、3回目だけ塗抹陽性という事象はあまり多くないと考えられています。
・Leonard MK, et al. How many sputum specimens are necessary to diagnose pulmonary tuberculosis? Am J Infect Control. 2005 Feb;33(1):58-61.
・Ozkutuk A, et al. Is it valuable to examine more than one sputum smear per patient for the diagnosis of pulmonary tuberculosis? Jpn J Infect Dis. 2007 May;60(2-3):73-5.


日本ならまだしも、発展途上国だとなかなか複数回の喀痰を提出することができません。そのジレンマについて述べたLancet Infectious Diseaseの論文です。

J Lucian Davis, et al.
Diagnostic accuracy of same-day microscopy versus standard microscopy for pulmonary tuberculosis: a systematic review and meta-analysis
The Lancet Infectious Diseases, Volume 13, Issue 2, Pages 147 - 154, February 2013


背景:
 喀痰の抗酸菌塗抹検査は結核蔓延地域における肺結核の検査として広く普及している。この検査精度を改善することは、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)にのっとった結核症例を同定するために肝要である。不運なことに、多くの患者は必要な喀痰検査をすべて提出できず、あるいは標準的な喀痰検査のために複数回医院を訪れなければならないがゆえに治療を受けることができないという結果に陥ることになる。WHO召集専門家グループによる推奨の情報提供のため、われわれは喀痰の抗酸菌塗抹検査を1日でおこなう戦略と2日に分けておこなう戦略を比較検証することとした。

方法:
 われわれは、前倒し的あるいは同日の喀痰抗酸菌塗抹検査と標準的な喀痰塗抹検査を比較した報告のシステマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。Medline, Embase, Biosis, Web of Scienceの論文を2005年1月1日から2012年2月14日までの間検索した。2人の独立した研究者が論文を選定しデータを抽出した。

結果:
 信頼性のある試験が8試験選定され、発展途上国の7771人の肺結核が疑われた患者が登録された。標準的な2日間の2回にわけたZiehl-Neelsen染色による喀痰塗抹検査と比較すると、1日に2回の塗抹検査をおこなうことは同等の感度(標準法:64% [95% CI 60 to 69] vs 同日:63% [58 to 68])と特異度(98% [97 to 99] vs 98% [97 to 99])を有していた。
 発光ダイオード蛍光顕微鏡による比較でも同等の結果が得られた。

結論:
 同日の喀痰の抗酸菌塗抹検査は標準的な方法と同等の診断精度である。

by otowelt | 2013-02-07 00:53 | 抗酸菌感染症

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