中心静脈径はヘッドダウンしてもさほど拡張しない

e0156318_1018855.jpgこの論文では、重症患者さんに対しては中心静脈はわざわざヘッドダウンをして確保しなくてもよいだろうと考察されています。重症の場合ヘッドダウンすることはあまり無いかもしれませんが。

Boulos Nassar, et al.
Trendelenburg Position Does Not Increase Cross-Sectional Area of the Internal Jugular Vein Predictably
CHEST. 2013 doi: 10.1378/chest.11-2462


背景:
 Trendelenburg体位は、中心静脈を拡張させ血管内カテーテル留置の成功と安全性に寄与するとされている。このスタディの目的は、体位による内頚静脈の超音波断面像の面積を測定したものである。

方法:
 アイオワ大学において51人の患者が登録された。超音波は、Sonosite Titan 180あるいはM-Turboポータブル超音波を用いた(10.5 mHz)。内頚静脈の断面積(呼気終末・輪状軟骨レベル)を3体位で測定した。体位は、15°の逆Trendelenburg体位、仰臥位、15°のTrendelenburg体位とした。

結果:
 15°の逆Trendelenburg体位における平均の内頚静脈面積は0.83±0.86 cm2で、偽仰臥位1.25±0.98 cm2、15°のTrendelenburg体位で1.47±1.03 cm2であった。
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 逆Trendelenburg体位から仰臥位に移行すると、内頚静脈面積は50%増加した。一方、そこからTrendelenburg体位にすると内頚静脈面積は17%しか増加しなかった。
 驚くべきことに、51人中9人ではTrendelenburg体位をとることで内頚静脈面積は減少してしまった。この面積が減少した患者群では多くのパラメーターに有意差はみられなかったものの、重症度が高い患者が多いことがわかった(APACHE II score 11.9 ± 3.6vs 17.1 ± 5.7; p=0.012)。
 なお、中心静脈圧が測定された患者では、圧と内頚静脈面積に有意な相関は確認されなかった。
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結論:
 Trendelenburg体位は内頚静脈を拡張させる作用は仰臥位にする場合比べてさほど大きくなく、むしろ減少する患者もいた。

by otowelt | 2013-02-10 00:10 | 集中治療

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