ステロイドは肺結核を含む全結核に対する死亡リスクを減少させる

e0156318_15141989.jpg 個人的には重症の肺結核や粟粒結核の患者さんにステロイド1mg/kgを導入することが多いですが、過去に報告されているように免疫再構築症候群をある程度抑制できる印象があります。
Kim YJ, et a. Pulmonary tuberculosis with acute respiratory failure. Eur Respir J. 2008 Dec;32(6):1625-30.
 Lancet infectious diseaseから結核に対するステロイドのシステマティックレビューとメタアナリシスの報告です。全文が読めないので参考程度に。

Critchley JA, et al.
Corticosteroids for prevention of mortality in people with tuberculosis: a systematic review and meta-analysis.
Lancet Infect Dis. 2013 Jan 28. pii: S1473-3099(12)70321-3. doi: 10.1016/S1473-3099(12)70321-3.


背景:
 ステロイドは全身性に効果がみられるが、結核におけるその利益は臓器特異的で結核性髄膜炎のような限定的な結核に対して使われるものの、ルーチンに通常の結核に用いられることはない。
 われわれは、全ての型の結核に対してステロイドの効果を検証した。

方法:
 全ての型の結核に対するステロイドの死亡への効果を調べるため、システマティックレビューとメタアナリシスをおこなった。感染臓器間のこのアウトカムにおける異質性も調べた。
 the Cochrane Infectious Diseases Group trials register, the Cochrane Central Register of Controlled Trials, Medline, Embase, Literatura Latino-Americana e do Caribe em Ciências da Saúde (LILACS)を調べ、2012年9月6日までの論文を抽出した。
 臓器を問わず結核患者をすべて登録し、結核は臨床的あるいは微生物学的に診断がつけられたものとした。年齢、合併症、出版言語、論文形式、ステロイド治療期間は問わなかった。
 試験間の死亡リスクを統合するため、Mantel-Haenszel法を用いた。

結果:
 41の試験が登録され、そのうち18が肺結核に関するものだった。41試験のうち20試験が現在のリファンピシン含有抗結核薬レジメンより以前のものであった。
 感染臓器別のメタアナリシスでは、異質性は観察されなかった。ステロイドの使用は死亡を17%減少させた(リスク比0.83, 95% CI 0.74-0.92; I2 0%)。
 リファンピシン含有レジメンを用いた試験のみの感度分析でも、結果は同等であった(リスク比0.85, 95% CI 0.74-0.98; I2 21%)。バイアスが潜在的に高リスクである患者を除外した肺結核の感度分析でも臨床的に利益をもたらしたが、点推定ではほぼ効果なしと判定され、有意差もみられなかった(リスク比 0.93, 95% CI 0.60-1.44)。

結論:
 ステロイドはすべての結核における死亡リスクの減少に効果的かもしれない。しかしながら、肺結核患者に対するステロイドを使用した近年の試験は少ないため、さらなるエビデンスの蓄積が必要になるだろう。


by otowelt | 2013-02-14 05:56 | 抗酸菌感染症

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