ESTABLISH-1試験:皮膚軟部組織感染症においてtedizolidはリネゾリドに非劣性

e0156318_10494893.jpgTrius社が成功した有名な第3相試験です。全文は読んでいません。
1日1回でよいところ、治療期間が短いこと、副作用の忍容性、敗血症への使用などの利点がコマースされています。

Philippe Prokocimer, et al.
Tedizolid Phosphate vs Linezolid for Treatment of Acute Bacterial Skin and Skin Structure InfectionsThe ESTABLISH-1 Randomized Trial
JAMA. 2013;309(6):559-569. doi:10.1001/jama.2013.241


背景:
 蜂窩織炎や丹毒を含む急性細菌性皮膚軟部組織感染症:Acute bacterial skin and skin structure infections (ABSSSIs)は、皮膚膿瘍・創傷感染の形態をとり、それによって致死的になることがあり、外科的処置や入院を要するかもしれない。 
 さらに、ABSSSIは薬剤抵抗性の病原微生物によって起こることがあり、多くの抗微生物薬はその副作用から使用を差し控えることもある。tedizolidはABSSSIの治療に対して開発されたオキサゾリジノン系抗菌薬である。

目的:
 ABSSSIに対するリネゾリドに対してtedizolidが非劣性を証明すること。また、両薬の安全性を比較すること。

方法:
 「The Efficacy and Safety of 6-day Oral Tedizolid in Acute Bacterial Skin and Skin Structure Infections vs 10-day Oral Linezolid Therapy (ESTABLISH-1)」試験は第3相ランダム化二重盲検非劣性試験であり、2010年8月から2011年9月までの間、北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパの81試験施設で行われた。
 ITT解析に667人の成人(18歳以上)ABSSSI患者が登録され、tedizolid群332人、リネゾリド群335人を比較した。
 ランダム化した患者に対して、tedizolid 200mg1日1回6日間経口投与あるいはリネゾリド600mg1日2回10日間経口投与をおこなった。
 プライマリアウトカムは、48時間後、72時間後の早期臨床的反応性とした(皮膚表面の感染巣範囲の拡大がないこと、口腔温37.6℃以下になること)。
 非劣性限界を10%と定義した。

結果:
 早期の臨床的反応性はtedizolid群332人のうち79.5% (95% CI, 74.8% to 83.7%)、リネゾリド群335人のうち79.4% (95% CI, 74.7% to 83.6%)であった(差0.1% [95% CI, −6.1% to 6.2%])。この治療反応性は治療終了まで維持できた:11日目69.3% (95% CI, 64.0% to 74.2%) vs 71.9% (95% CI, 66.8% to 76.7%)、(差−2.6% [95% CI, −9.6% to 4.2%])。治療終了後1~2週間後の外来での観察者解析による治療成功率は、85.5% (95% CI, 81.3% to 89.1%) vs 86.0% (95% CI, 81.8% to 89.5%)であった(差−0.5% [95% CI, −5.8% to 4.9%)。
 感染巣からMRSAが検出された178人においても同様の結果が得られた。
 副作用で、血小板減少は正常値を下回ったものがtedizolid群、リネゾリド群でそれぞれ28人(9.2%)、46人(14.9%)であった(p=0.035)。ベースラインにおいて血小板値が異常値であった患者を除外あるいは含めても、血小板減少についてはtedizolid群の方が有意に少なかった。AST・ALTの上昇は両群ともに同等に観察された。

結論:
 ABSSSIの早期(治療後48~72時間)治療反応性アウトカムで、tedizolidはリネゾリドに統計学的に非劣性であった。tedizolidはABSSSIの治療においてリネゾリドの代替薬となりうるかもしれない。


by otowelt | 2013-02-18 00:17 | 感染症全般

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