潜在性結核に対する3RHは6Hと比べてアドヒアランスが高く、効果は同等

 3ヶ月のイソニアジド+リファンピシン(3RH:日本では3HRと呼びます)がLTBIのレジメンとして有効であることは、9ヶ月のイソニアジドとの比較試験の結果から知られていることです。
Timothy R. Sterling, et al.
Three Months of Rifapentine and Isoniazid for Latent Tuberculosis Infection
N Engl J Med 2011; 365:2155-2166
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 The International Journal of Tuberculosis and Lung Diseaseから移民に対する6Hとの比較試験の報告です。

Jiménez-Fuentes MA,
Rifampicin plus isoniazid for the prevention of tuberculosis in an immigrant population.
Int J Tuberc Lung Dis. 2013 Mar;17(3):326-32.


目的:
 潜在性結核(LTBI)の治療における2つのアプローチの忍容性、アドヒアランス、効果を比較する。レジメンは、6ヶ月のイソニアジド(6H)と3ヶ月のイソニアジド+リファンピシン(3RH)を比較した。

方法:
 参加者は、結核罹患率が10万人あたり40症例以上ある地域からの移民とした。参加者はツベルクリン反応をおこなわれたのち、スペインのバルセロナで2001年4月から2005年4月までの間おこなわれたランダム化比較試験に登録された。BCGワクチン接種ステータスは接種部位の瘢痕の有無で判定された。
 活動性結核、結核の既往がある者、ツベルクリン反応がすでに陽性と判明している者、12歳未満あるいは40歳超、妊婦あるいは授乳婦、肝疾患の既往がある者、HIV感染者は除外された。
 内服用量は、イソニアジドは5 mg/kg/日(最大300 mg/day)とし、リファンピシンは10 mg/kg/日(最大600 mg/日)とした。
 予防内服開始後、毎月フォローアップされ、忍容性、副作用、アドヒアランスが評価された。効果は5年後におこなわれた(電話インタビュー)。

結果:
 590人の移民が登録され、400人が男性(67.8%)、190人が女性(32.2%)であった。平均年齢は26.1歳(12–40)であった。半数以上が不法入国移民であり(58.3%)、75.6%がカタルーニャ地方に居住していた。52.7%のみが雇用労働者であった。6H群に登録されたのは294人(49.8%)、3RH群に登録されたのは296人(50.2%)であった。6H群では女性が多く(60%)、3RH群では不法入国移民が多くみられた(55.4%)。
 アドヒアランスは3RH群のほうが6H群よりも高かった(72% vs. 52.4%, P = 0.001)。アドヒアランス不良と関連していた項目は、スクリーニングによるLTBI予防内服登録(OR 1.88, 95%CI 1.26–2.82, P = 0.001), 不法入国移民(OR 1.48,95%CI 1.01–2.15, P = 0.03), 非労働者(OR 1.91,95%CI 1.28–2.85, P = 0.0008), 非識字者(OR 1.73,95%CI 1.04–2.88, P = 0.02), 家族のサポート欠如(OR 3.7, 95%CI 2.54–5.4, P = 0.001)、6ヶ月治療レジメン(OR 2.45, 95%CI 1.68–3.57, P =0.0001)であった。
 両群とも治療を完遂した登録者に結核は発症しなかった。スタディプロトコル上2名の結核発症者がカウントされたが、予防内服完遂者ではない。
 肝障害などの副作用について両群に差はみられなかった。
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結論:
 LTBIに対する3RHレジメンはアドヒランスが良好であり、安全かつ忍容性が高く、効果も6Hと同等である。


by otowelt | 2013-03-01 00:49 | 抗酸菌感染症

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