慢性特発性蕁麻疹に対してオマリズマブ(ゾレア®)は有効

e0156318_14312949.jpg 当院にはステップ3以降の気管支喘息の患者さんも数多くいますので、ゾレア®を時々使用しています。アレルギーを有する気管支喘息患者さんでは何となく皮膚症状や掻痒感もやや軽減するような印象を持っていたので、個人的に合点がいきました。

Marcus Maurer, et al.
Omalizumab for the Treatment of Chronic Idiopathic or Spontaneous Urticaria
N Engl J Med 2013. DOI: 10.1056/NEJMoa1215372


背景:
 慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic urticaria / chronic spontaneous urticaria)の多くの患者は、高用量のH1受容体拮抗薬であっても治療反応性がない。H1受容体拮抗薬が無効である患者は、H2受容体拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイドなどの薬剤が治療オプションとして含まれるが、慢性特発性蕁麻疹に対する長期使用の効果は不明である。第2相試験では、抗IgEモノクローナル抗体であるオマリズマブによる当該患者への効果が示された(J Allergy Clin Immunol 2011;128:567-73.)。

方法
 この第3相多施設共同ランダム化二重盲検試験は、中等度から重症の慢性特発性蕁麻疹の患者でH1受容体拮抗薬治療によっても症状が持続する者を対象にオマリズマブの安全性と効果を検証したものである。
 われわれは12~75歳までの慢性特発性蕁麻疹患者323人を4週間あけて3回の皮下注射を受ける治療に登録した。患者はランダム化され、オマリズマブの量は、75 mg, 150 mg, 300 mgとし、プラセボを別途準備した。患者はH1受容体拮抗薬を持続的に使用してもよいものとした。観察期間は16週間とした。
 プライマリ効果アウトカムは、ベースラインからの掻痒感重症度スコア(0点から21点で高いほど重症)とした。セカンダリアウトカムは、ベースラインからのUAS7変化、週ごとの蕁麻疹の数、UAS7が6点以下の患者比率などとした。

結果:
 平均年齢は42.5±13.7歳で、76%が女性、85%が白人、平均体重は82.4±21.9 kg、平均BMIは29.8±7.3であった。ベースラインの平均IgEは168.2±231.9 IU/mLと上昇していた。
 4群すべてにおいてベースラインの重症度スコアはおよそ14点であった。12週目での平均(±標準偏差)の掻痒感重症度スコアの変化はプラセボ群で−5.1±5.6点、オマリズマブ75mg群で−5.9±6.5点(P = 0.46)、150mg群で−8.1±6.4点(P = 0.001)、300mg群で−9.8±6.0であった(P<0.001)。
 事前に規定したほとんどのセカンダリアウトカムについて、12週時点で同様の用量依存性の効果がみられた。有害事象の頻度は全群同等であった。重篤な有害事象はまれであったが、300mg群(6%)ではプラセボ群(3%)、75mg(1%)、150mg(1%)よりも多かった。

結論:
 オマリズマブはH1受容体拮抗薬の使用によっても持続する慢性特発性蕁麻疹の臨床症状や徴候を減弱させることができる。


by otowelt | 2013-03-05 12:09 | 内科一般

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