ICUにおけるプロバイオティクスは死亡率に寄与しないが、肺炎発症抑制やICU在室期間短縮に有利か

e0156318_22111955.jpg ICUにおけるプロバイオティクスのメタアナリシスです。死亡率には寄与しませんが、ICUでの肺炎発症やICU在室日数を減少させたという結果でした。
 2010年のメタアナリシスでもVAPの抑制とICU在室日数への寄与が報告されています。
Siempos II, et al. Impact of the administration of probiotics on the incidence of ventilator-associated pneumonia: a meta-analysis of randomized controlled trials. Crit Care Med. 2010 Mar;38(3):954-62.

 以下、今回のメタアナリシスです。

Damien Barraud, et al.
Impact of the Administration of Probiotics on Mortality in Critically Ill Adult Patients
A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials
CHEST 2013; 143(3):646–655


背景:
 このスタディの目的は、プロバイオティクスを投与された重症患者におけるランダム化比較試験のシステマティックレビューを行うことである。

方法:
 PubMed, Scopus, and the Cochrane Central Register of Controlled Trialsにおいて1950年から2012年5月までのランダム化比較試験を以下の単語で検索した。
 検索単語:[“critically ill” OR “ICU” OR “intensive care” OR “critical care”], AND [“prebiotics” OR “probiotics” OR “synbiotics” OR “Lactobacillus” OR “ Bifidobacterium”]
 適格基準は、重症成人患者に対するプレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクスの投与によるICUおよび院内死亡率を比較したランダム化比較試験とした。加重平均差(weighted mean difference: WMD)、オッズ比、95%信頼区間はMantel-Haenszel固定およびランダム効果モデルを用いて算出した。

結果:
 13の全てのランダム化比較試験は2002年以降に出版されたものだった。ほとんどが内科外科混合ICUであり、5試験のみが外科あるいは外傷患者の臨床試験で、1試験のみが内科患者のみを扱った試験だった。3試験を除くすべての試験は単施設研究で、7試験が二重盲検試験、6試験がオープンラベル試験であった。サンプルサイズは28人から259人とばらつきがあり、平均113人だった。研究の質にもばらつきがあり、7試験はJadad scoreが3点超、6試験は3点未満だった。Funnel plotでは出版バイアスは観察されなかった。
 本試験での治療レジメンは、単一プロバイオティクス(4試験でLactobacillus plantarum 299、1試験でLactobacillus rhamnosus)あるいはいくつかのプロバイオティクスの組み合わせだった(8試験)。全ての試験で少なくともLactobacillusが含まれていた。
 13試験1439人が、解析された。プロバイオティクスはICU死亡率(OR, 0.85; 95% CI, 0.63-1.15)あるいは院内死亡率(OR, 0.90; 95% CI, 0.65-1.23)の減少に寄与しなかった。
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▲ICU死亡率
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▲院内死亡率

 一方、プロバイオティスクの投与はICUにおける肺炎の発症を減少させ(OR, 0.58; 95% CI,0.42-0.79)、ICU在室期間を短縮させた(WMD, -1.49日; 95% CI, -2.12 to -0.87日)。
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▲ICUでの肺炎発症頻度

 最終的にプロバイオティクスは人工呼吸器装着期間を短縮させ(WMD, -0.18日; 95% CI, -1.72~1.36日)、在院日数の短縮させた(WMD, - 0.45日; 95% CI, -1.41~0.52日)。

結論:
 このメタアナリシスでは、プロバイオティクスの投与はICUあるいは院内死亡率を減少しなかったという結果であったが、ICUにおける肺炎発症とICU在室日数を減少させた。


by otowelt | 2013-03-06 00:46 | 集中治療

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