成人気管支喘息のサルメテロール/フルチカゾンにテオフィリンを追加することで発作頻度が減少する

 昔のNEJMに小児喘息に対するテオフィリンとプラセボの比較試験結果が報告されており、テオフィリンの有意な利益が証明されています(N Engl J Med 1996; 334:1380.)。
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 成人喘息におけるテオフィリンに関する前向き試験は非常に少なく、欧米ではキサンチン誘導体の使用は好まれていません。Respiratory Medicineからテオフィリンのプラセボ対照ランダム化比較試験が報告されました。
 ちなみに、高齢や肥満の患者さん、マクロライド系・ニューキノロン系抗菌薬を内服している患者さんではテオフィリンの血中濃度が上昇しやすいことが知られていますので、注意が必要です。

Hanxiang Nie, et al.
Efficacy of theophylline plus salmeterol/fluticasone propionate combination therapy in patients with asthma
Respiratory Medicine Volume 107, Issue 3 , Pages 347-354, March 2013


目的:
 気管支喘息患者において、サルメテロール/フルチカゾン(SFC:セレタイド®、アドエア®)にテオフィリンを追加する効果を、SFC+プラセボと比較すること。

方法:
 このランダム化プラセボ対照試験では、325人の患者がランダムに以下の2群に割り付けられた。
・テオフィリン200mg+SFC50/250μg1日2回 24週間
・プラセボ+SFC50/250μg1日2回 24週間

 アウトカムは、喘息コントロールレベル(喘息コントロールテストの解析による)、治療期間24週間の間の1回以上の気管支喘息発作を起こした患者数とした。呼吸機能検査、喀痰中の炎症性マーカーレベルの測定がおこなわれた。

結果:
 1回以上の喘息発作をおこした患者は、テオフィリンを追加した群では有意に少なかった(29.6% vs 46.9%、p = 0.004)。テオフィリン+SFCはFEF25–75%(努力性肺活量の25−75%の呼気中の努力呼気流量)を改善させた、すなわち末梢気道機能を改善させることが示唆された(66.9 ± 18.8% vs 57.4 ± 17.6%, p<0.001)。誘発喀痰中の好酸球数および好酸球カチオンタンパク(ECP)も有意に減少した(4.1 ± 2.2% vs6.3 ± 2.7%, 63.6 ± 39.5 μg/L vs 89.4 ± 45.6 μg/L,all p < 0.01)。

結論:
 SFCにテオフィリンを加えることで気管支喘息発作の頻度を減少させることができ、末梢気道の呼吸機能や炎症を改善させる。


by otowelt | 2013-03-14 06:49 | 気管支喘息・COPD

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